ブロック子会社のTBD、「Web5」の定義を明確化。商標登録は中止に

TBDが「Web5」の定義を明確化

ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏がCEOを務めるブロック(Block)の子会社TBDが、同社ビジョンの「Web5」について明確な定義を11月30日に発表した。

「Web5」はTDBが今年6月に「新しい分散型ウェブ」として構築すると、その計画を発表していた。

当時の発表では、「Web5」とはユーザーが自らのアイデンティティやデータを管理できるようになる分散型ウェブプラットフォームであり、その構成要素として「分散型識別子(Decentralized Identifires)」、「分散型ウェブノード(Decentralized Web Node)」、「自己主権型アイデンティティサービス(Self-Sovereign Identity Service)」、「自己主権型アイデンティティ開発ツール(Self-Sovereign Identity SDK)」が挙げられていた。

TBDによると、「Web5」の発表に対する反響は大きく、多くの企業や個人から賛同を得られたとのこと。しかし、中には「Web5」という言葉を誤った形で使用しているケースも多く、同社の考える「Web5」とは正反対のプロダクトにまで「Web5」という言葉が適用されてしまっているとのことだ。

このような事態を受け、TBDは「Web5」の意味の混乱を防ぐためにその条件を以下のように定義した。

(1)個人に力を与える分散型かつトラストレスなシステム
(2)分散化を促進するためのエコシステムを構築するオープンソースプロトコル
(3)人々が自分自身のデータを所有し、分散的に管理できるようにするためのソリューションを構築する開発者やプロジェクト
(4) 分散型アプリやプロトコルを実現するための新しい分散型アイデンティティソリューションを構築する開発者やプロジェクト

なおTDBは「web5 is not “crypto”:Web5はクリプトではない(他のWeb5のW表記は大文字の為、小文字wはタイプミスと思われる)」ともツイートを行っている。

またTBDは「Web5」という言葉の悪用を防ぐために商標登録を行う方針であることも同時に発表した。しかし、この方針についてはコミュニティからの反発が多かったため、その後の発表にて商標登録を中止することを明らかにした。

TBDは今回の方針変更について以下のようにコメントしている。 「(商標登録について)コミュニティからは、商標法の適用が分散化の使命を損なう可能性があるとの声が多く聞かれます。(中略)商標化の動きは、分散化の使命に対する人々の信頼を損なうものでした。したがって私たちは、以前に発表した計画を、追って通知した上で中断し、取り消します」

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/Ket4up

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小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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