米上院議員ら、フィデリティ401kでビットコイン提供停止を要請
米国民主党上院議員3名が、米大手金融サービス企業フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)に対し、同社が提供する確定拠出型年金(401k)でのビットコインの取扱いを再考するよう求めたと、11月22日に複数のメディアが報じた。
上院議員らはフィデリティのCEOアビゲイル・ジョンソン(Abigail Johnson)宛てで、401k退職プランにおけるビットコインの提供に関する書簡を11月21日に送ったと報じられている。
書簡には、マサチューセッツ州のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)議員、ミネソタ州のティナ・スミス(Tina Smith)議員、イリノイ州のリチャード・ダービン(Richard Durbin)議員が連名で署名。暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻について触れながら、暗号資産市場のボラティリティに懸念を示し、401kプランでのビットコイン提供を真剣に再考するよう求めている。
議員らは書簡の中で「FTXの崩壊は、デジタル資産産業が深刻な問題を抱えていることを明らかにした。この業界には、カリスマ、日和見主義の詐欺師、自称投資顧問らがあふれ、透明性の低い金融商品を宣伝している。FTXは11月11日、連邦破産法第11条の適用を申請した。同社は顧客の資金を誤って扱ったとされ、現在、司法省(DOJ)、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)など複数の米国当局により調査されている。その結果、一部の人の無分別な、欺瞞的な、そして潜在的に違法な行動は、ビットコインや他のデジタル資産の評価に直接影響を与える」と警告し、「FTXによる被害の全容が解明されるのはこれからだが、その伝染はより広いデジタル資産市場全体に及んでおり、ビットコインも例外ではない」と続けた。
401kは、任意加入の企業年金制度の1つだ。加入した従業員は毎月一定額の拠出金を積み立てることで、その運用結果に応じた年金を退職後に受け取れる仕組みとなっている。なお拠出金の投資先は加入者が選択できる。
フィデリティが今年4月にビットコインへの投資が可能な企業向けデジタル資産口座(DAA)の提供を発表したことで、401kを利用する企業の従業員は、その投資先としてビットコインを選択できるようになっていた。同社によると、DAAはビットコインや短期金融市場投資を保有する口座となっており、DAA上のビットコインはフィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity digital Assets)のカストディ・プラットフォームで保管され、機関投資家レベルの安全性が保証されると伝えていた。
なおウォーレン上院議員とスミス上院議員は今年5月にもフィデリティに書簡を送っており、同社が今年4月に発表したビットコインへの投資が可能な企業向けデジタル資産口座(DAA)へ難色を示していたと報じられている。
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