FTX、トロンとスワップ契約合意
FTXトークン(FTT)価格急落により資金不足に陥っている渦中の暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが、ユーザー救済のためにトロン(Tron)社とスワップ契約を締結したことを11月10日に発表した。
この契約によりFTXユーザーのうちトロン(TRX)、ビットトレント(BTT)、ジャスト(JST)、フォビトークン(HT)の所有者については、トロン社がそれらのトークンを1対1でスワップすることにより、資産を外部ウォレットに引き出せるようになるとのことだ。
またトロン社は今後定期的にTRXをFTXのマーケットに投入するとのことだ。今週は1300万ドルを投入することが明らかにされているが、今後の資本投入については週次で告知されるとのこと。またこの措置のためにFTXはトロン社以外によるTRXの入金を停止している。
この発表を受け、FTX内のTRXの価格が急騰している。他の取引所と比較すると記事執筆時点のTRXの価格は5倍程度となっているため、現時点でTRXを購入しても引き出し後の資産は5分の1ほどに減少してしまう。つまり、FTXに資産を持つユーザーは資産を5分の1にすることを覚悟でTRXを購入するか、今後の救済措置を信じて待つかの二択を迫られることになる。
FTXのCEOであるサム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried)氏は「この措置は、ユーザーに流動性をもたらす方法を模索するための、第一歩に過ぎないと考えています。(流動性の提供は)私が今戦っている核となるものであり、できる限りの方法で戦い続けるつもりです」とツイートしている。
この対象トークンを外部ウォレットに引き出す機能は、日本時間11月11日3時30分より有効化されている。
We hope this is just step one: beginning to find ways to bring liquidity to users.
— SBF (@SBF_FTX) November 10, 2022
That is the core thing that I am fighting for right now, and will continue to fight for in whatever ways I can. https://t.co/pzTJBsytVS
関連ニュース
「FTXによる混乱は暗号資産業界に内在するリスクを強調している」、米SECゲンスラー
バイナンスがユーザーのための資産保険基金を10億ドルに拡大、市場混乱受け
米財務省、トルネードキャッシュの制裁対象を明確化。開発者や創業者は含まれず
参考:FTX
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ismagilov