BISや中央銀行らがCBDCの外国為替にAMM導入検討
BIS(国際決済銀行)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)および分散型金融(DeFi)プロトコルに関連した調査を行うプロジェクトの開始を11月2日発表した。
このプロジェクト「プロジェクト・マリアナ(Project Mariana)」では、自動マーケットメイカー(AMM)を使用して外国為替市場と決済を自動化することで、ホールセール(大口決済)型CBDCのクロスボーダー決済を改善する可能性を調査するとのこと。利用するのは、スイスフラン・ユーロ・シンガポールドルのCBDCだ。
BISはAMMプロトコルについて「CBDCの国境を越えた交換を促進する新世代の金融インフラストラクチャの基礎を形成する可能性がある」としている。なおAMMとは仲介者や第三者に頼らずとも、自律的に市場に流動性が提供される環境をつくるプロトコルだ。DEX(分散型取引所)において採用されている。
なおプロジェクトの目的として「ラップドCBDC(wCBDC)のためのAMMの設計と適用を検討する」、「クロスボーダー決済のための効率的で信頼できるハブとして地域を越えたネットワークが機能するかどうかを調査する」そして「そのネットワーク内での wCBDCのガバナンスモデルを研究する」の3つが挙げられている。
またこのプロジェクトにはシンガポールおよびスイスのBISイノベーションハブの他、フランス銀行、シンガポール金融管理局(MAS)、スイス国立銀行(SNB)といった中央銀行、そしてユーロ圏の通貨当局であるユーロシステム(Eurosystem)が参加している。BISイノベーション・ハブは金融の技術革新を促すためにBIS内に設けられた中央銀行の協力組織で、ロンドンや香港にも設置されている。
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