バイナンス、ツイッターのブロックチェーン活用支援するチーム組成
イーロン・マスクのツイッター社買収に際して、5億ドル(約739億円)を出資した世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、ブロックチェーンと暗号資産がツイッターにどのように役立つかを研究するチームを作っているようだ。バイナンスの広報担当者が10月28日に明らかにした。
マスク氏の440億ドル(約6.5兆円)の取引に資金を提供する投資家の1社として、バイナンスはツイッターの運営に貢献できるような計画や戦略をブレインストーミングしていくという。
新しく結成されたバイナンスのチームは、ボットアカウントの急増などツイッターの問題に対処するためのオンチェーンソリューションを構築する方法を模索する予定だ。
マスク氏のツイッター買収劇は、数ヶ月にわたる法廷内外での紆余曲折を経て、10月27日に取引が正式に終了。そしてマスク氏はソーシャルメディアプラットフォームの最高責任者を直ちに解雇した。
ツイッターは、ビットコインを推進してきた共同創業者兼前CEOのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏のもと、ブロックチェーン技術を取り入れる方法を模索し始めていた。
2021年11月ツイッターは社内に暗号資産チームを立ち上げ、こうした技術に関わる機能を構築している。そしてツイッターの有料会員がプロフィールにNFTを使用できる機能を導入した。
またツイッターとの訴訟の一環として公開された部下とのテキストメッセージの中で、マスク氏はツイッターをブロックチェーン上に置く可能性について議論したが、後にそのような動きは上手くいかないと判断したようだ。
現在、非上場化したツイッターでは、マスク氏が取締役会と意思決定を完全にコントロールしているため、バイナンスのような共同投資家が少数株主としてツイッターの将来にどれだけ積極的に関与できるかは不明だ。
ツイッターの共同投資家は、セコイアキャピタル(Sequoia Capital)、フィデリティマネジメント(Fidelity Management)、アンドリーセンホロウィッツ(Andreessen Horowitz)、ブルークフィールド(Brookfield)といったファンドだ。
ちなみにバイナンスのCEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏は、ツイッターで700万人以上のフォロワーを持つアクティブなユーザーの1人だ。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
(Reporting by Krystal Hu in New York, additional reporting by Sheila Dang in Dallas)
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
images:Reuters