ケニアでブロックチェーン活用の「HIV/AIDS治療成績調査」
ケニアでブロックチェーンを活用した「HIV/AIDS治療成果研究」が開始した。医療系スタートアップのイミュニファイライフ(Immunify.Life)が9月27日発表した。
なお同研究は、イミュニファイライフとケニアのマシンド・ムリロ科学技術大学(MMUST)の提携により進められているようだ。
イミュニファイライフでは患者の医療情報や健康記録を、独自開発のインセンティブ付き行動変容システムとデータ収集ツールを利用して提供するプラットフォームを開発する企業。同社のプラットフォームにはカルダノ(Cardano)ブロックチェーンが活用されている。またインセンティブや医療データへのアクセス料金の支払いなどにプラットフォームのユーティリティトークン「IMM」が利用されるという。
今回開始した「HIV/AIDS治療成果研究」では、イミュニファイライフのプラットフォームが利用されるとのこと。これにより患者、コミュニティ、そして国全体がトークン報酬を利用して、これまで治療を中断していたHIV/AIDS患者の治療遵守率を向上できるとしている。
またその他にもプラットフォームの利点として「HIVとAIDSのスクリーニング、臨床検査、治療、フォローアップケア、治療成果の追跡、治療継続の追跡、ペーパーレスデータの強化などの重要なコンポーネントがある」と説明がされている。
なおイミュニファイライフによると、HIVが人口の3〜20%の割合で蔓延している新興国では、HIV陽性の成人の最大30%、子どもの40%が薬を飲んでいないのが現状とのこと。またケニアは世界でも有数のHIV/AIDS患者数を誇っており、その約30%が治療を受けていないとのことだ。
イミュニファイライフのCEOであるガイ・ニューウィング(Guy Newing)氏は今回の研究について「イミュニファイライフで使用している技術は、HIVとAIDS、結核、予防接種プログラムの課題に対応するために設計されています。ブロックチェーン技術は、アフリカの医療に革命を起こす最先端のニューフロンティア技術です」とコメントしている。
なおイミュニファイライフは今回の発表と同月9月にシードラウンドにて、スイスに本拠を置くブロックチェーン VC であるブルーフォリオ(BluFolio)らから200万ドル(約2.9億円)の資金調達を行っている。
関連ニュース
日本医療推進財団、ブロックチェーンでのPCR検査結果証明書システムリリース
朝日印刷らがブロックチェーンで医薬品を追跡管理、Hyperledger Fabric採用
インドのテックマヒンドラ、ワクチン追跡のブロックチェーンソリューションをグローバル規模で展開へ
サムスンUS、カルダノ採用ブロックチェーンで植林活動を管理。veritreeと提携
参考:イミュニファイライフ・イミュニファイライフ②
デザイン:一本寿和
images:iStocks/LuckyStep48