シタデルやフィデリティやセコイヤら、米国でデジタル資産取引所「EDXM」設立へ

米国の金融大手企業ら、米国でデジタル資産取引所「EDXM」設立へ

米国の金融大手企業らが、デジタル資産取引所「EDX Markets(EDXM)」を設立したことを9月14日に発表した。

「EDXM」は、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)、フィデリティ・デジタルアセット(Fidelity Digital Assets)、パラダイム(Paradigm)、セコイアキャピタル(Sequoia Capital)、ヴァーツフィナンシャル(Virtu Financial)などの金融業界のリーダーによって支えられた完全に独立した事業体として運営されていくという。今後「EDXM」と提携する市場参加者が増えることが予想されるとしている。

「EDXM」は、デジタル資産取引の潜在的な需要に対応し、信頼できる仲介業者を通じて安全かつコンプライアンスに則ったデジタル資産取引を可能にする取引所を目指すとのこと。「EDXM」は、デジタル資産インフラ開発のMEMXが提供する実証済みの技術と伝統的な金融市場のベストプラクティス、流動性の向上によるスプレッドの縮小を組み合わせ、米国の個人および機関投資家向けに安全、高速、効率的な暗号資産取引を支援していくとのことだ。

「EDXM」の運営はデジタル資産カストディアンのネットワークを活用して顧客資産を保護され、取引はブロックチェーン上でより迅速かつ効率的に低コストで差金決済され、二国間決済は不要になるとのことだ。また顧客のセキュリティと規制遵守も「EDXM」の中核的な基本原則であり、特に取引所の運営責任を取引する主体から切り離すことで、既存の暗号資産取引所に影響を与える重大な利益相反を排除する方針だという。

なお「EDXM」は、重役となる管理職を多数採用し、今後数ヶ月のうちに経営陣を拡充していく予定とのことだ。「EDXM」の最高経営責任者には、シタデル・セキュリティーズの元事業開発グローバル責任者ジャミール・ナザラリ氏、最高技術責任者には、Cboe Global Marketsによる買収を通じてErisXの最高技術責任者を務めたトニー・アクーニャ=ローター氏、法務顧問にはフィデリティ・ブローカレッジサービス(Fidelity Brokerage Services)の元最高法務責任者でフィデリティ・デジタルアセット(Fidelity Digital Assets)の法務顧問であるデイビッド・フォーマン氏が就任したとのことだ。さらに今後、暗号資産および従来の金融サービス部門から追加で採用されていく予定だという。なお「EDXM」の取締役会は、設立メンバー企業の代表者で構成されているようだ。

「EDXM」の取締役会メンバーは「暗号資産は3億人以上が参加する1兆ドルの世界的な資産クラスであり、さらに数百万人の需要が潜在しています。この需要を掘り起こすには、高いコンプライアンスとセキュリティ基準で個人トレーダーと機関投資家の両方のニーズを満たすことができるプラットフォームが必要です。技術的・組織的なボトルネックを解消するMEMXがサポートするデジタル・インフラにより、EDXMは暗号資産市場への安全な入口となり、大手金融機関向けに設計され利用されているプラットフォームでデジタル資産を取引するための最適な取引所として機能するでしょう」とリリースで伝えている。

なお「EDXM」のメンバーであるシタデル・セキュリティーズ、セコイアキャピタル、パラダイムは資本関係がある。2022年1月にシタデルセキュリティーズは、両社から11億5,000万ドル(約1,660億円)の資金調達を行なっている。

参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Bulgnn・Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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