葛飾区ファミマでPETリサイクル可視化の実証実験へ
東京都葛飾区コンビニエンスストア「ファミリーマート立石五丁目店」で、PETリサイクルの過程をスマートフォンのアプリでトレース(追跡)できるサービスの実証実験が行われる。
なおこの実証実験にはブロックチェーンが活用されるとのこと。ファミリーマート及び伊藤忠商事、伊藤忠プラスチック(CIPS)、旭化成が9月13日発表した。
リサイクル状況の可視化が消費者の行動にどのような影響を与えるかなどを検証することが目的だ。
具体的に、まず利用者がファミリーマートの店頭(屋外)に設置された専用の回収箱に使用済みペットボトルを投入、その際に利用者は回収箱に記載された二次元コードをスマートフォンで読み取り、投入したペットボトルの本数をアプリ上で登録する流れになる。そして投入した日時ごとに、現在ペットボトルがリサイクルプロセスのどの段階にあるのかを確認できるようになるという。
なお確認できるのは、「ペットボトルを投入した日時と本数」が投入日時から回収・輸送状況を経て、工場でペットボトルが加工され粒状のペレットになるまでとのこと。またリサイクルによって削減されるCO2排出相当量もアプリに表示されるとのことだ。
この実証実験は、旭化成による資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(ブルー・プラスチックス:Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy)」のもと実施されるとのこと。同プロジェクト開発のトレーサビリティシステムには、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)のブロックチェーン技術が用いられているという。
この実証実験は9月26日から11月25日の期間で実施が予定されている。なお事前に「BLUE Plastics」のウェブサイトから登録を行い店舗へ空のペットボトルを持参すれば、だれでも無料で実験に参加できるとのこと。また実験開始日となる9月26日には、先着120名にミネラルウォーターがプレゼントされる体験イベントも開催されるとのことだ。
「BLUE Plastics」とは
「BLUE Plastics」は昨年5月に発足されたプロジェクトだ。プロジェクト発足時のプレスリリースによると「BLUE Plastics」ではすでにデジタルプラットフォームのプロトタイプが完成しており、次の3つの特徴を有していると説明されていた。
(1)ブロックチェーンによる認証でリサイクル証明を担保
日本IBMのブロックチェーン技術を応用し、再生プラスチックのリサイクル率を証明する。消費者はスマートフォンのカメラで再生プラスチック製品に貼付してあるQRコード等を読み取ることで、再生プラスチックのリサイクル率を確認できる。
(2)リサイクルチェーンの可視化により消費者の安心感を醸成
上記同様に製品のQRコード等を読み取ることでリサイクルチェーンとプレイヤーをさかのぼって確認できる。データはブロックチェーンで管理されており、来歴の透明性を担保することで消費者の安心感を醸成する。
(3)消費者のリサイクル行動の変容を促す仕組みづくり
リサイクル行動にポイントを付すことで、消費者の行動変容を促すとのこと。実証実験や社会実装を通じてさらに効果的な仕組みづくりに努め、新たなリサイクル文化の創造を目指す。
以上の特徴により、再生プラスチック使用率の確認、リサイクルチェーンの可視化に加え、消費者行動変容を促す仕組みを備え、消費者まで巻き込んだリサイクル文化の創造を目指すと発表されていた。
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参考:伊藤忠
デザイン:一本寿和
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