脱税容疑でマイケルセイラーとマイクロストラテジーを訴訟、米司法長官事務所

脱税容疑でマイケルセイラーとマイクロストラテジーを訴訟

米ワシントンD.C(コロンビア特別区)の司法長官事務所(Office of the Attorney General:OAG )が、マイクロストラテジー創業者のマイケル・セイラー(Michal Sayler)氏と同社に対して、脱税容疑で訴訟を提起したことを8月31日に発表した。

この訴訟で司法長官事務所は、マイケル・セイラー氏とマイクロストラテジーの両者から未納の所得税と罰金の合計1億ドル(約140億円)以上の回収を目指すという。

マイケル・セイラー氏とマイクロストラテジー社は、ビットコイン推進派であり、マイクロストラテジーが保有するビットコインは合計で129,699BTCとなっている。

訴訟の背景

司法長官事務所は、マイケル・セイラー氏が個人所得税の低い他の管轄区域の居住者のふりをすることで、2500万ドル(約34億円)以上のワシントンDCの住民税を違法に免れたと訴えている。

また司法長官事務所は、マイクロストラテジーはセイラー氏が実際にワシントンD.Cの居住者であることを確認する詳細な情報を持っていながらも、同氏の住所を地元および連邦税務当局に正確に報告せず、そしてDC税を源泉徴収せず、同氏と協力して脱税を促したと申し立てている。

なお司法長官事務所は、最近改正された多額の税金を納めない個人の責任を追及することを可能にする法律に基づいて、今回の脱税の執行訴訟を起こすとのことだ。そして脱税を通報した内部告発者は、訴訟によってその地区が得た金銭回収の一定割合(最大30%)を徴収することができるとのことだ。

そしてこの法律により、裁判所は脱税者に「3倍賠償」、つまり脱税額の3倍の賠償金を課して罰することができるようになったとのことだ。この訴訟を通して、司法長官事務所は数千万ドルの未納の所得税と罰金を回収することを目指すという。

司法長官事務所の公式文書によれば、マイケル・セイラー氏は2005年頃からワシントンD.Cに居住していたという。

具体的に文書では「マイケル・セイラー氏は、北バージニアに拠点を置くソフトウェア会社マイクロストラテジーの億万長者で元CEO、DCに拠点を置くコンスティツーション・ファンデーション(Constitution Foundation)の創設者である。そして2005年頃から公的にコロンビア特別区のジョージタウン地区を自宅としている。ジョージタウンのウォーターフロントにある7000平方フィートのペントハウスに住み、少なくとも2隻の豪華ヨットを長期にわたって同地区に停泊させている。セイラー氏の純資産は10億ドル以上と推定され、2005年以降、経常利益とキャピタルゲインで数億ドルを得ている」と説明されている。

なお同区の法律では、居住者は所得税を納める必要があり、税法上の居住者とは、同区内に留まる予定のまたは留守の後に戻る予定の住居を持つ個人、および1年間に少なくとも183日間、同区内に住居を維持する個人を指すとのことだ。

参考:OAG
デザイン:一本寿和
images:iStocks/4×6・Pict-Rider

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【12/20話題】NTTドコモのERC6551搭載ゲームβ版、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」正式承認など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored