中央アフリカ共和国の最高裁判所、暗号資産で市民権購入は違憲と判決
中央アフリカ共和国の最高裁判所が、政府が先月開始した暗号資産(仮想通貨)「サンゴコイン(SANGO Coin)」を利用して、市民権「eレジデンシー(e-residency)」と土地を購入することは違憲であるとの判決を8月29日下した。
ここ数カ月でビットコイン(BTC)価格は急落し、交通の便が悪い、戦争で荒廃した国でのプロジェクトの実現性に疑問符がついたものの、「サンゴコイン」は7月21日に発売された。
サンゴプロジェクトのサイトによるとこの構想では、外国人投資家は6万ドル相当の「サンゴコイン」(5年間担保として保持される)で市民権を、6,000ドルで3年間保有できる「eレジデンシー」が購入できたはずだ。
また、250メートル四方の土地は10,000ドルで、「サンゴコイン」は10年間保管されると記載されていた。
しかし同国の最高裁判所は、国籍に市場価値がないこと、在留資格は中央アフリカ共和国(CAR)に物理的に滞在する必要があることなどを理由に、これらの購入を「違憲」と判断したことが、政令で示された。
政府報道官のセルジュ・ジョリー(Serge Djorie)氏はロイターに対し、この判決に対する回答はないと述べた。そのため現状のサンゴプロジェクトへの影響は、明らかになっていない。
世界最貧国の一つである中央アフリカ共和国は、4月にアフリカで初めてビットコインを法定通貨とした。暗号資産の専門家の間では眉唾で、ビットコインの法定通貨化についてIMF(国際通貨基金)が、アフリカ大陸の課題に対する「万能薬」ではないと警告を発するきっかけとなった。
フォースタン=アルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領は、「サンゴコイン」は金融排除の解決策であり、中央アフリカ共和国の膨大な鉱物資源への投資を促進するものだと擁護している。
しかし、最初に提供された2100万ドル相当の「サンゴコイン」の売れ行きは鈍く、発売後数時間で購入されたのは目標のわずか5%強に過ぎない。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Central African Republic top court blocks purchases with new cryptocurrency
Reporting by Rachel Savage and Judicael Yongo; Writing by Sofia Christensen; Editing by Bhargav Acharya; Editing by Andrea Ricci
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters