イーサリアム財団、メインネット「The Merge」実施日程を正式発表

イーサリアムの「マージ」、実施日程が正式に発表

イーサリアム(Ethereum)メインネットにおける大型アップグレード「マージ(The Merge)」の実施日程が、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)より正式に発表された。

同財団によると「マージ」実行のトリガーは、TTD(マイニングの最終合計難易度)が「58,750,000,000,000,000,000」に達した時点とのことで、日程としては9月10日から20日の間が見込まれるとのことだ。

マージ完了までのプロセス

「マージ」は、イーサリアムにおけるコンセンサスアルゴリズムをPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ変更する為に、イーサリアム1.0のチェーン(エグゼキューションチェーン)をイーサリアム2.0のチェーン(ビーコンチェーン)に移行する計画となっている。今回のメインネット「マージ」に向け、これまでにRopsten(ロップステン)、Sepolia(セポリア)、Goerli(ゴエリ)などの複数のテストネットで「マージ」が実施されてきた。

今回のメインネットでの「マージ」では、「Bellatrix(ベラトリックス)」および「Paris(パリス)」のアップグレードを行い、2段階のプロセスを経て実行されることになっている。

「ベラトリックス」は、ビーコンチェーンに対しエポック(ブロックのまとまりの単位)144896において「マージ」への最終アップグレードが行われる。実行は9月6日11時34分47秒(世界協定時:UTC)が予定されている。

また「パリス」は最終的な「マージ」実行のアップグレードとなっており、前述したTTDに達した時点でエグゼキューションレイヤー(実行層)がPoWからPoSに移行することになる。

「マージ」後には、それまでPoWで生成されていたブロックがPoSのビーコンチェーンのバリデーター(ネットワーク検証者)により後続ブロック生成が始まるとのこと。ブロックの確定ができた時点で「マージ」は完了したとみなされるとのことだ。

マージに関する8つの誤解

なお「マージ」についてはイーサリアム財団から8つの誤解について解説が行われている。ステーキングやトランザクション速度、ガス代などの誤解について解説されているので、こちらの記事を併せて確認していただきたい。

イーサリアム財団、「マージ」に関する8つの誤解について解説

マージ後のハードフォークの可能性

イーサリアムは今回のマージ後にPowチェーンをフォークする計画が立てられている。つまり正統なPoSチェーンとは別に残されたPoWチェーンが存続する可能性がある。

PoWの継続は一部の取引所やマイナーに支持されているが、イーサリアムの創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏はフォークについて「大きな打撃とはならない」と述べており、PoSチェーンへの影響は少ないと見られている。

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参考:イーサリアム財団
デザイン:一本寿和
images:iStocks/GOCMEN

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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