IOSTと⼤学研究室がweb3サマースクールレポート
IOST財団と山口大学工学部知能情報学科の河村研究室が、ブロックチェーンを学ぶweb3サマースクール「メタバースとスマートコントラクト」を8月11日に開催した。
このサマースクールでは、学生たちとブロックチェーン技術を活用したゲーム・エンターテイメントサービスを提供する企業の開発者たちとが、インタラクティブにメタバースとweb3の世界を学び、ブロックチェーン上で動くプログラミング「スマートコントラクト」を体験した。
講師として、横浜DeNAベイスターズのNFTムービーコレクション「PLAYBACK 9」を提供するDeNAと、ブロックチェーン開発を行うエバーシステムのシステム開発者らが参加した。また業界団体である日本ブロックチェーン協会(JBA)が後援し、学生たちへWeb3教育が提供された。
エバーシステムCEOでブロックチェーン開発者の和田隆夫博⼠(⼯学)は、学生たちにブロックチェーン技術のメカニズムとビットコインから発展したきたパブリックチェーンの特徴とメカニズムを解説。そしてIOSTブロックチェーンゲーム「クリプトニンジャ」のデモを実施した。
同社のブロックチェーン開発者白濱敬也氏は、ブロックチェーンを活用した開発中の、みんなが作者になれる、新しいゲームアプリーションのデモを実施。またブロックチェーン上で動くプログラミング「スマートコントラクト」のハンズオンを行い、学生たちは実際に手を動かしながらスマートコントラクトを学んだ。
DeNAのシステム開発者 緒方文俊氏は、まずメタバース上で自己紹介。そしてスマートフォンに組み込まれたLiDARを使って、現実世界の物をデジタル化するアプリケーションで学⽣たちとメタバースの世界感を共有した。 さらにインターネットの始まりから新しいコンセプトであるWeb3へ移り変わりとその違い、新しい技術の普及に重要となる世界で統⼀される規格について話した。またDeNAが取り組むブロックチェーンを技術を活⽤したNFTなどのスマートフォンで楽しめるアプリケーションを紹介した。
またイベント最後の学習クイズでは、頑張った学⽣に後援の日本ブロックチェーン協会(JBA)より提供の「Web3が国家戦略に!」Tシャツが贈呈された。Web3の⼈材不⾜と⾔われる中で、JBAは会員企業が協⼒して将来の優秀なブロックチェーンエンジニア・起業家を育成するため活動も⾏っている。
なおIOST財団は2018年から「ブロックチェーン無償教育プログラム」を続け、現在までに9つの国内の大学・教育機関で累計11回、500名以上の学生にブロックチェーンを理解するワークショップを提供しているとのことだ。
IOST財団の太田真氏へ取材
「あたらしい経済」編集部は、IOST財団の日本担当である太田真氏へ取材を行った。
−−web3サマースクールを実施し、学生たちはどのような感想を抱いていたのでしょうか?
学生たちの中では暗号資産(仮想通貨)の投資面だけのイメージを持っていたり、興味を持っている学生もいました。ある世界(Web3など)に入ってくる動機は何でもいいと思います。そこから自分の得意な好きなことを見つけて深く理解すればいいと思います。
イベント最後のQ&Aでは、プロダクト開発にあたり規制や法律面をどのように乗り越えるのかという質問がありました。このような質問は今回のWeb3サマースクールの目的である、学生たちが暗号資産とWeb3の世界を理解し始めた、と受け止めます。
あと学生たちが楽しそうにしていたのは体験型でしたね。DeNAエンジニアの緒方さんが持ってきたLiDAR搭載デバイスやエバーシステムの開発者が行ったスマートコンラクトのハンズオンでは、学生たちが協力して教え合っていたのが印象的でした。
−−ブロックチェーン技術の教育と人材育成に貢献するために、何が最も重要だと考えていますか?
“Web3″と”人材育成”とくれば、”イノベーション”でしょう。イノベーションにはいろんなアプローチがあります。ブロックチェーンを学ぶことは学際的(複数の学問領域の協業)な環境が必要です。これは社会においてもWeb3はテクノロジー、産学研究、法規制、金融経済など複数の業界が関わり、それは同時にそれだけ幅広い職業の受け皿を用意できると理解できます。
今まで続けてきた大学でのワークショップでは敎育・人材育成そして起業をテーマにしてきました。ただ就職のための知識ではなくて、起業する人材育成をすることで、Web3において幅広い職種を提供して若者たちの雇用に貢献できると思います。若年層の失業率を下げることが、イノベーションの土台作りだと考えています。
山口大学工学部のWeb3サマースクールでは3つの企業・団体にお願いしました。エバーシステムはIOST財団ともに2018年から国内の大学でWeb3敎育を提供してきました。代表の和田博士(工学)は現役の大学非常勤講師として敎育に信念をもっています。DeNAは全国で小学生から対象にテクノロジーの楽しさを体験するICT敎育に力を入れています。
そして日本ブロックチェーン協会は企業と敎育機関が参加するWeb3啓蒙活動の社会でのハブになっています。重要なのは企業や業界団体の持続可能な草の根敎育の提供です。その敎育を受けた若者たちの創造性は私たちの想像を越えるでしょう。
−−IOST財団は、今後の日本展開について、どのように考えているのでしょうか?
日本での発展は日本市場の発展そのものだと考えています。2018年にIOSTが日本で活動を開始したときには日本は暗号資産において世界の魅力的な市場でした、そして今もそうです。これは日本が早くから取り組んできた規制環境が評価されています。
自主規制団体も進化を遂げてきました。新しい業界の中で利害対立する競合他社が集まり新しい環境づくりをすることは簡単ではなかったはずです。
しかし争い合って対立があるからこそ持続可能なWeb3業界という社会のエコシステムが生まれると思っています。このエコシステムは力強く、これから立ち向かうグローバル規格や環境にすばやく順応していくと信じています。IOSTがこのエコシステムに参加して市場の拡大に寄与することも重要な活動です。
もちろんIOSTのミッションが日本でのミッションであり私のミッションです。この半年でIOSTをサポートする日本の暗号資産取引所の数も増えてきました。IOSTは暗号資産取引所が取り組む顧客保護と魅力的なサービスと規制された環境の中で、個性ある取引所のファンとIOSTを支えるコミュニティが楽しくなるイベントを提供していきます。
IOSTブロックチェーンについて
IOSTは次世代コンセンサスアルゴリズム”Proof of Believability(PoB)”に基づく超高速の分散型ブロックチェーンネットワークです。分散型経済のセキュリティとスケーラビリティのニーズを満たすオンラインサービスの基盤となるアーキテクチャを目指しています。デプロイ後の修正機能を備えた、JavaScriptをサポートする、スマートコントラクトと 限りなく低い開発コストは、エンタープライズソリューションとして受け入れられます。