ブロック株価下落、暗号資産価格低迷が影響か
ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)率いるブロック(Block)社は、ビットコインに大きくベットしているデジタル決済企業だが、市場参加者らが暗号資産(仮想通貨)への関心が薄れていることからQ2の決算で損失を計上した。
またカリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く同社は、午前6時20分(米国東部時間)までに35億ドル(約4,700億円)近くの企業価値を消失した。そして株価は今年に入ってから44%以上下落した。
8月5日に、ブロックは第2四半期に1株当たり36セントの損失(昨年は40セントの利益)を計上し、雇用スピードを減速させ、2022年の投資目標金額を2億5千万ドル(約337億円)下方修正すると発表した。
JPモルガン(JP Morgan)のアナリストは、「支出を削減するという行為は、ブロックが潜在的に弱い成長に備えていることを示唆している」と伝えた。
しかしブロックの株価は、当四半期に1億5,000万ドル(202億円)の粗利を稼いだBNPL(Buy Now Pay Later)ビジネスによる潜在的収益力を理由に、同株式のオーバーウェイトレーティングと目標株価1億7ドル(約135億円)を維持した。
今年に入ってからは、高騰するインフレと米連邦準備制度の金融引き締めでリスク資産が売られ、ビットコインをはじめとするデジタル通貨に対する投資家の熱意は冷めつつある。
そのため、ビットコインの熱狂に乗じて昨年好業績を上げたブロック社などは苦境に立たされている。
ブロック社のビットコイン総利益(暗号資産の売買に伴うスプレッドから得られる利益)は、前年の5500万ドル(約74億円)から、四半期には24%減の4100万ド(約55億円)に急減した。
BTIGのアナリストによると「GDP統計の8つの取引セッションで、株価は約35%上昇した。この上昇を続けるには、ほぼ完璧な四半期決算を作成する必要があっただろう」という。
しかしジェフリーズ(Jefferies)とRBCキャピタルマーケッツ(RBC Capital Markets)は、ブロックのコスト削減の決定が、厳しい経済環境に対処するための有効な手段になるとし、目標株価を引き上げた。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Reporting by Niket Nishant in Bengaluru; Editing by Shinjini Ganguli
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
images:Reuters