ポロニエックス、イーサリアム「マージ」後のPoWチェーンと「ETHW」サポート発表
イーサリアム(Ethereum)のマイナーであるチャンドラー・グオ(Chandler Guo)氏が主導する『9月実施の「マージ(The Merge)」後にPoWチェーンをハードフォークするプロジェクト』を、海外暗号資産(仮想通貨)取引所ポロニエックス(Poloniex)がサポートすることを8月4日発表した。ポロニエックスはマージ後にイーサリアムがハードフォークした場合、分岐チェーンのトークンも引き続き取り扱うとしている。
イーサリアムは来月9月、コンセンサスアルゴリズムをPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ移行する大型アップグレード「マージ」を実施する予定だ。イーサリアム2.0のチェーン(ビーコンチェーン)に、イーサリアム1.0のチェーン(エグゼキューションチェーン)を移行する計画となっている。
それに対し先月末、中国の個人投資家であり著名な暗号資産マイナー(マイニングを行う人)として知られるチャンドラー・グオ氏が、「マージ」後に残るイーサリアム1.0のチェーンをハードフォーク(分岐)させて、PoWで稼働するネットワークを保持するプロジェクトを発表し、協力者を集めていた。このプロジェクトは「マージ」後も潜在的に存在し続けるPoWチェーンにて、マイナーが現行のマイニングマシンを使用して報酬を続けて得られるようにすることを目指している。
なおこの発表を受けて、ポロニエックスの主要投資家であり暗号資産トロン(TRX)創設者であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏が、このプロジェクトのサポートを行うことを表明している。
今回のポロニエックスのサポートは、このプロジェクトへ賛同した動きとなるようだ。
発表によるとポロニエックスでは「マージ」前にユーザーに対し、プラットフォーム内で現在のETHを、ETHと1:1の比率価値となる「ETHS」と「ETHW」のどちらかにスワップ出来るようにするという。「ETHS」は新たなPoSチェーンのトークンを表し、「ETHW」はPoWチェーンのトークンとなる。
そして「マージ」前にポロニエックスは「ETHS」のスナップショットを取得し、グオ氏らがハードフォークに成功した場合は「ETHS」をアップグレードされたETHに自動変換し「ETHS」の上表廃止を行うとしている。なお「ETHW」についてはハードフォーク後の最もハッシュレート値の高いPoWチェーンをメインチェーンとして機能させるとのこと。なお「ETHW」のブロックチェーンおよびトークンの名称についてはコミュニティの意見を尊重するとしている。
また「マージ」後にハードフォークが成功しなかった場合については、「ETHS」と「ETHW」の上場を廃止するとのことだ。
なおETHから「ETHS」「ETHW」へのスワップと「ETHS」「ETHW」からETHへのスワップは8月8日4:00(UTC)から「マージ」完了までサポートされるという。また同日12:00からはETHS/ETHとETHW/ETHのペアにて板取引も可能になるとのことだ。
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参考:Poloniex
デザイン:一本寿和