マイクロストラテジーのマイケルセイラー、CEO退任し会長へ、ビットコイン取得戦略は継続

マイクロストラテジーのマイケルセイラー、CEO退任し会長へ

企業としてビットコインの購入を積極的に進めている米ナスダック上場企業のマイクロストラテジー(MicroStrategy)が、同社CEOマイケル・セイラー氏が8月8日付けでCEOを退任することを8月2日に発表した。

現在プレジデントを務めるフォン・レー(Phong Le)氏が新たなCEOとなり、取締役会のメンバーとしても兼務していくという。なおマイケル・セイラー氏は、取締役会会長及び執行役員となる。

そしてマイケル・セイラー氏は執行会長として、主にイノベーションと長期的な企業戦略に注力する一方、取締役会の投資委員会の長としてビットコイン取得戦略の監督を継続する予定とのことだ。

なお2022年6月30日時点で、マイクロストラテジーのデジタル資産(約129,699BTCで構成)の帳簿価額は19億8800万ドル(約2,650億円)で、これは取得以来19億8,900万ドル(約2,650億円)の累積減損損失と1ビットコインあたりの平均帳簿価額約15,326ドル(約204万円)を反映しているとのことだ。

また2022年6月30日時点で、マイクロストラテジーのBTC取得原価は39億7700万ドル(約5,310億円)、時価は24億5100万ドル(約3,270億円)となっており、約15億ドル(約2,000億円)ほどの減損が発生しているようだ。なお同社の1ビットコインあたりの平均取得単価は、約30,664ドル(約4,095,253円)となっている。

マイケル・セイラー氏は、リリースで次のようにコメントしている。

「会長とCEOの役割を分けることで、ビットコインの取得・保有とエンタープライズ分析ソフトウェア事業の成長という2つの企業戦略をよりよく追求できるようになると考えています。私は執行会長として、ビットコインの取得戦略や関連するビットコイン支持の取り組みにより注力することができ、一方、フォンはCEOとして企業運営全般を管理する権限を与えられるでしょう」

フォン・レー氏は、次のようにコメントしている。

「この真に革新的な組織を、社長兼CEOとして率いることができることを光栄に思います。私たちの社員とブランドは素晴らしい勢いをもっています。私は、お客様、株主、パートナー、従業員に対するコミットメントを強化したいと思います。また、エンタープライズ・ソフトウェアとビットコイン獲得戦略の長期的な健全性と成長のために、組織を率いていくことを楽しみにしています」 

参考:マイクロストラテジー
images:Paco Freire / SOPA Images/Sipa U via Reuters Connect
デザイン:設楽悠介

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した