イーサリアムの大型アップデートに向けた最終テスト日程が決定
イーサリアムがPoSへ移行するためのアップグレード「マージ(The Merge)」が、テストネット「ゴエリ(Goerli)」で来月初めに実行されることが7月27日発表された。今秋に予定されているメインネットの「マージ」へ向けた最終テストとなる。
「マージ」とは、イーサリアムにおけるコンセンサスアルゴリズムをPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ移行する大型アップグレードのこと。イーサリアム2.0のチェーン(ビーコンチェーン)に、イーサリアム1.0のチェーン(エグゼキューションチェーン)を移行する計画だ。
今回発表された「マージ」は、「ゴエリ」に対し同じくテストネットの「プラーター(Prater)」を統合するとのことで、統合した後のネットワーク名は「ゴエリ」の名称がそのまま利用されるという。
また「プラーター」への統合に向けての準備は2022年8月4日12:24(UTC)に開始されると予想されており、この準備が完了したのちの8月6日から12日の間で「マージ」が行われるという。なお「マージ」完了後でも、ステーカーはテストネットのバリデータを継続できるとのことで、プラーターローンチパッド(Prater Launchpad)から参加が可能とのことだ。
今回の最終的なテストに至るまで、コミュニティでは数年間にわたって開発作業がされている。今月7月では、7日にテストネットの一つである「Sepolia(セポリア)」をPoSに移行するアップグレードが実行された。また26日にはメインネットで10回目のシャドーフォーク(マージに向けたテスト)が実施されている。
なお今回のアップグレードである「マージ」は、今までのアップグレードとは二つの点で異なっている。一つ目は、ノードオペレータがコンセンサス層(CL)と実行層(EL)の両方のクライアントを、どちらか一方だけでなく、同時に更新する必要があるというところである。そして二つ目は、アップグレードが2つのフェーズに分けて実行されることだ。
今まで長らく使用されてきた「Kiln(キルン)」・「Ropsten(ロップステン)」・「Rinkeby(リンケビュー)」の3つのテストネットは、イーサリアムメインネットの「マージ」が完了したのちに廃止されることが発表されており、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)のプロトコルサポートチームは、この3つのテストネットを「非推奨」とし、「ゴエリ」または「セポリア」のテスト環境に移行するよう伝えている。「ゴエリ」は複数のテストネットのベースレイヤーとなっていることからも、今回の「マージ」最終テストの重要性がうかがえるだろう。
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参考:イーサリアム財団
デザイン:一本寿和
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