トレードテック、貿易金融資産を裏付けとするセキュリティトークン発行
トレードテック(Tradeteq)が、ブロックチェーンを利用して貿易金融資産をセキュリティトークン(証券トークン)として発行したことを7月25日に発表した。
トレードテックは2016年にロンドンで設立された企業であり、貿易金融にITを適用することで貿易金融分野における需給ギャップの解消や貿易金融への投資機会の創出を目指している。これまでに貿易に関わる手続きの自動化ツール、貿易金融資産のリスク評価ツール、貿易追跡ツールなどを提供している。
今回トレードテックはXDCネットワーク(XDC Network)と呼ばれるブロックチェーンを利用し、貿易金融資産を裏付けとするセキュリティトークン「TRADA」を発行した。貿易金融資産をセキュリティトークンとして発行することにより、個人および機関投資家の両方に貿易金融市場へのアクセスを拡大し、貿易金融分野の需給ギャップの解消や流動性上昇が見込めるとのことだ。
トレードテックによると、貿易金融資産は実体を持つ資産であるためリスクが低く、投資商品として魅力的だったにもかかわらず、貿易全体の可視性の低さや複雑な規制などにより投資対象と捉えられてこなかった。しかし「TRADA」によってそれらの参入障壁を下げることができるとのことだ。
トレードテックのCFO兼共同創業者ニルス・ベーリング(Nils Behling)氏は以下のようにコメントしている。
「今回のローンチは、XDCのエンタープライズグレードのブロックチェーン技術による貿易金融の民主化において重要な動きとなります。これにより、歴史的に銀行や大規模な機関投資家のみに制限されていた貿易金融市場に個人投資家が投資できるようになりました」
XDCネットワークはシンガポールの企業シンフィン(XinFin)が構築するブロックチェーンである。XDCネットワークはいわゆるパーミッション型のブロックチェーンであり、分散性を犠牲にしつつ、スケーラビリティと安全性を高めている。トレードテックは2021年9月にXDCネットワークを利用して貿易金融資産を裏付けとするNFTを発行している。
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参考:Tradeteq
デザイン:一本寿和
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