三井住友海上が「NFTアート専用保険」提供開始
国内大手保険会社の三井住友海上火災保険が「NFTアート専用保険」を提供開始したことが分かった。NFTアートを対象とした専用の保険が提供されるのは、日本国内で初の事例となる。
同社は7月26日、NFTプラットフォーム「HARTi(ハーティ)」に作品を出品するユーザー向けに、今回開発した「NFT専用保険」を付帯することを発表した。
発表によるとこの専用保険は「HARTi」に出品された全てのNFTアートが対象で、出品者に対して無償で提供される。「第三者の不正アクセスによりNFTアートの所有者アドレスが改ざんされ、第三者へNFTアートが移転してしまった場合に損害が補償される」とのことで、50万円を限度に出品価格を参考値として作品ごとに保証金額は決定されるとのこと。なお保険料はHARTiが負担するという。
三井住友海上は「3~5年以内に世界的に巨大な市場を形成することが予想されるNFTアートの普及には、NFTマーケットプレイスの健全な発展と保険による出品者の安心感の向上が不可欠である」と説明している。
HARTiは完全招待制・審査制のNFTマーケットプレイスであり、出品作品は全て HARTiの専任キュレーターによって審査されている。それによって、質の高いNFTアートを探すことができることや、国内の大手商業施設ともパートナーシップを締結していることから、出品アーティストがリアル店舗を活用してさらなる認知拡大を目指すことが可能であるということを特徴としている。
HARTi代表取締役社長の吉田勇也氏は自身のツイッターにて、『百貨店や商業施設、そして大手ブランドに至るまで、日本国内の大手企業のNFT参入を促すためには、「安心・安全」のテーマは不可欠です。市場は2023年にかけて、既存の大手企業も参入が続くタイミングになると予測します。こちらが国内NFT流通市場の安全性担保の一助に繋がることを願っています』と述べている。
NFTとは
「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。
なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。
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参考:三井住友海上
デザイン:一本寿和
images:iStocks/dalebor