BNPパリバがデジタル資産カストディを開発へ
フランス・パリに拠点を置く欧州のメガバンクBNPバリパの子会社BNPバリパ証券サービス(BNP Paribas Securities Services)が、デジタル資産のカストディサービスを開発していることが分かった。これにあたりBNPパリバ証券は7月20日、ファイヤーブロックス(Fireblocks)とメタコ(METACO)といった暗号資産関連企業との提携を発表している。
同社はホットウォレットや債券のトークン化などに、ファイヤーブロックス提供のソリューションを選択しており、すでにそのソリューションを用いたセキュリティトークンの決済とカストディに関する実験を開始しているとのこと。直近ではフランス市場における非上場デジタル債券の決済とカストディの実験でファイヤーブロックスのソリューションを活用したという。
また既存のインフラシステムに、デジタル資産カストディやオーケストレーションプラットフォームを統合するために、メタコのサービスを選択したとのこと。これは同社の機関投資家向けカストディサービスを支え、複数のシステム間でガバナンスを統一し、機関投資家の顧客が従来の資産とともにデジタル証券の保管、発行、決済を行えるようにするものである。
今回提携が発表されたファイヤーブロックスは、アメリカに拠点を置く、暗号資産の保管、取引、発行インフラを提供する企業。2022年1月にはシリーズEの資金調達ラウンドを済ませており、企業評価額は80億ドルにも上る。
またメタコは、スイスに拠点を置く、ステーキング、スマートコントラクト管理などを提供する企業で、大手グローバル銀行のCitiやスペイン大手銀行のBBVAなどとも提携している。
BNPバリパセキュリティサービスのデジタルアセット部門の責任者Wayne Hughes氏は今回の提携について、「これらのパートナーシップは、当社にとって新たなマイルストーンとなるもので、マルチプロバイダのプラットフォームを構築することができ、規制の枠組みの構築が可能になれば、伝統的資産とデジタル資産を完全に接続することができます。」と語っており、異なるタイプの資産すべてを一望できる環境を提供することを目指しているという。
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参考:BNPパリバ証券
デザイン:一本寿和
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