米サークルとNYCB、カストディパートナー契約

米サークルとNYCB、カストディパートナー契約

米ドルステーブルコインUSDCを発行するサークル・インターネット・フィナンシャル(Circle Internet Financial)が、ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(New York Community Bancorp:NYCB)と、カストディパートナー契約を締結したことが6月28日に分かった。

これによりNYCBの銀行子会社であるニューヨーク・コミュニティ・バンク(New York Community Bank)が、USDCの準備金のカストディアンとなる。さらに両社は、サークルブロックチェーンおよびステーブルコインソリューションを活用した戦略を策定し、十分なサービスを受けていない、また銀行口座を持たないコミュニティに対する、低コストの金融ソリューションへのアクセスを促進していくという。具体的には、追加の準備金が必要になりうる預金取扱機関(MDI)に対する支援を行なっていく予定とのことだ。

サークルがNYCBと契約締結したことに関して、USDCドル建て準備金の一部を全国の預金取扱機関とコミュニティバンクに割り当てるというサークル社の目標の1つだったと発表されている。

サークルの最高戦略責任者兼グローバルポリシー責任者ダンテ・ディスパルテ(Dante Disparte)氏は次のようにコメントしている。

「お金と決済の未来を過去よりも包括的なものにしたいのであれば、コミュニティレベルで新しいパートナーシップとつながりを築く必要があります。NYCBと提携することで、全米のコミュニティバンクとMDIが急成長するデジタル資産市場の主要参加者となるための新しい道を切り拓きます」

NYCB取締役副社長兼チーフデジタルバンク&バンキング・アズ・ア・サービスオフィサーのアンドリュー・カプラン(Andrew Kaplan)氏は次のようにコメントしている。

「NYCBは、米国の銀行の中でデジタル資産の革新的なリーディングカンパニーであることを誇りに思っています。私たちは、USDCの準備金のカストディアンであると同時に、私たちのコミュニティや顧客に経済包摂と教育に影響を与える有意義なかたちでサークルと提携できることに感激しています。この戦略でサークルと密接に協力し、関係をさらに強化することを楽しみにしています」

これまでNYCBは、銀行口座残高をトークン化し株式取引のデジタル決済を可能にするための実証実験や米ドルステーブルコイン「USDF」の発行に向けて「USDF Consortium」を設立している。

また今年の4月に、ブラックロックもUSDCの準備金カストディパートナーとなっている。


参考:サークル
デザイン:一本寿和
images:iStocks/pgraphis

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
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