3ACがBlockFiからのマージンコールに対応できず
債務超過に陥る可能性を報じられている暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンドのスリーアローズキャピタル(Three Arrows Capital:3AC)への資金の貸し手の1社が、米暗号資産レンディング企業ブロックファイ(BlockFi)であることが分かった。フィナンシャルタイムズが6月17日に報じた。
3ACは先週末に貸し手である金融機関などからのマージンコール(追加証拠金)に応じることができず、ポジションが強制清算されていた。3ACは、ブロックファイからビットコイン(BTC)の借り入れを行っていたようだ。
なお3ACは、融資会社らから少なくとも合計4億ドル(約540億円)にのぼる金額の精算を受けているとされている。
ブロックファイのCEOザック・プリンス(Zac Prince)氏は「特定のカウンターパーティー(相手先の金融機関)への明言は避けるべきだが、可能な限りの透明性は提供する必要がある」として、ブロックファイが直近で証拠金貸付に対し債務不履行した大口顧客に対して担保の清算を行ったことを明かしている。この大口顧客は3ACである可能性が高いと考えられる。
I’ve been seeing a lot of speculation about BlockFi’s risk management practices that I want to address. While our policy is to not comment on specific counterparties, we are committed to providing as much transparency as possible, and it’s important to know the following:
— Zac Prince (@BlockFiZac) June 16, 2022
3ACは2012年に設立されたヘッジファンドで、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)をはじめとしたベースレイヤーのブロックチェーンとDeFi(分散型金融)プラットフォームを中心に投資を行っている。先月以降は3ACに属すると思われるアドレスが少なくとも30,000stETH(Lido Staked ETH)を売却し、それをレンディングプラットフォームであるAave(アーベ)のローン返済に充てているとも報じられている。
暗号資産メディアDecryptによると、同社の取り扱い資産はピーク時で100億ドル(約1.3兆円)と規模が大きく、また多くのDeFiプラットフォームにも関与しているため、もし同社が破産した場合、暗号資産市場にさらなる負の影響がもたらされると考えられると見解を示している。
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参考:FT
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