ビットコイン基盤の分散型ウェブ「web5」発表、ブロックのTBD
ブロック(Block)の子会社TBDが、ビットコイン基盤の新しい分散型ウェブ「web5」を構築する計画を6月11日に発表した。
ブロックCEOのジャック・ドーシーは、新しい分散型ウェブを「web5」と定義し「これはおそらくインターネットへの私たちの最も重要な貢献になるでしょう。チームを誇りに思っています。RIP web3 VCs」とツイートした。
兼ねてからweb3のトレンドを作ったVCに対して批判的な態度をとってきたドーシー氏が、「web3のVCたちに御愁傷様」と皮肉を込めた内容だ。
TBDでは、ビットコイン基盤の分散型取引所「tbDEX」と分散型ウェブ「web5」の2つのプロジェクトを進めているとのこと。
昨年11月に「tbDEX」のホワイトペーパーがTBDによって公開されている。そのホワイトペーパーで「tbDEX」の目的は「中央集権的な取引所を経由することなく、法定通貨ベースのシステムから暗号資産を利用するためのシステムの入り口(オンランプ)と出口(オフランプ)を作るためのフレームワークを提供すること」とされていた。
今回発表された「web5」の構成要素として「分散型識別子(Decentralized Identifires)」、「分散型ウェブノード(Decentralized Web Node)」、「自己主権型アイデンティティサービス(Self-Sovereign Identity Service)」、「自己主権型アイデンティティ開発ツール(Self-Sovereign Identity SDK)」が挙げられている。
そして「web5」に関係するアクター(参加者)は「ウォレット(Wallet)」、「分散型ウェブノード(Decentralized Web Nodes:DWNS)」、「分散型ウェブアプリ(Decentralized Web Apps:DWAS)」だとしている。
なお発表では、現在のウェブモデルと「web5」の個人データやアイデンティティの管理方法の相違点が説明されている。
ユーザーが自分のデータやアイデンティティを所有できず、企業によってアカウントを与えられ、データはアプリでサイロ化しているのが現在のウェブだと定義されている。
一方、分散型ウェブプラットフォームによって、ユーザーが自らのアイデンティティやデータを管理できるようになるのが「web5」だと定義されている。
ブロックは昨年12月にビットコインのライトニングネットワーク開発ツール「Lightning Development Kit(LDK)」も発表している。ブロックは今後もビットコインにフォーカスしたサービスや事業を創出していくだろう。
参考:TBD
images:iStocks/tampatra・LongQuattro
デザイン:一本寿和