【取材】ビットコイン「ビンテージNFT」情報サイトがリニューアル

ビットコイン「ビンテージNFT」情報サイトがリニューアル

ビットコインのブロックチェーン上で発行された日本のビンテージNFTに関する情報サイト「RareJapaneseNfts.com」が、リニューアルしたことが5月24日に分かった。このサイトを運営するのは、YouTubeで「ビットコイナー反省会」を運営する東晃慈氏だ。

主に2017年以前のNFT黎明期にビットコイン上で誕生し、ブロックチェーンの記録として残っている初期のコレクションのことをこの情報サイトではビンテージNFTと定義している。とくにビットコインのカウンターパーティ(Counterparty)プロトコル上で発行されたものが多いとのことだ。

この情報サイトでは、ビンテージNFTとして「SATOSHICARD」、「RAREPEPE」、「PEPENOPOULOS」など、また日本のビンテージNFTの代表作品として「HAIRPEPE」、「KOJIPEPE」、「THEGODTANU」、「CCCBTCONE」などが挙げられている。

この情報サイトでは、日本のビンテージコレクション及び日本に関連するNFT作品の画像や発行枚数などの基本情報、作品やアーティストの情報や背景、ビンテージNFTの歴史や関連ツールのリソース集などが紹介されるとのことだ。

東氏は今回情報サイトをリニューアルした理由として「NFTのバブルは多くのビットコイナーにはあまり好感を持たれていないですが(気持ちは大いにわかります)、単純な一時的な価格煽りや売り抜けではなく、長期的なコレクショングッズとして投資したり、また予想外に高騰したビンテージNFTの売上の一部を、ビットコインやライトニングの開発コミュニティに寄付、還元する、という発展的な利用価値があることも、自分が今回日本のビンテージNFTの記録をちゃんと残しておこう」と考えたからと説明している。

また今後は「出来るだけ多くの日本のビンテージNFTを市場に放出し、それぞれ適正な市場価格を発見したり、国内外で保有を増やすことで、日本のビンテージNFTコレクションの長期的な生存確率を引き上げていくことに注力していきたい」とのことだ。

東晃慈氏へ取材

「あたらしい経済」編集部は、東晃慈氏へ取材を行なった。

−−NFTの価値は、何によって担保されるべきだと考えていますか?

これはリリースのタイミングや、プロジェクトの性質によって変わると思います。最近流行りのやり方は例えばエアドロップや、DeFiと組み合わせたり、など金融面への応用をしたり、もしくはゲーム内でNFTを使っているなら、ゲームの面白さやユーザー層の拡大でNFTの価値を担保している部分があります。

ビンテージNFTはそれに対してまだほんとんどそういうプロジェクトがなかった時に存在して、かつそれらのトークンの供給量はすでにブロックチェーン上でロックされている、という歴史文脈的な価値と希少性がNFTの価値につながっています。

特にどのような手法によって担保されるべき、ということはないと思いますが、自分はUtilityを追求する前者の方は一部は長期的に残ると思いますが、大部分は新しい価値を生み出し続けなくなり、NFTも価値を失うものが多いと予想しています。

ここらへんは貨幣としてのビットコインと、機能重視の多数のアルトコインとの関係性に通ずる部分も一部あると思います。

−−web3文脈のNFTとビンテージNFT、具体的に何がどう違うのでしょうか?

これはすでに1つ目の質問の回答で、ちょっと触れましたが、Web3文脈のNFTという分け方が適当かわかりませんが、サービス内で色んなところに組み合わせてNFTを使うのが、いわゆるWeb3流なんじゃないかと思います。

個人的にはNFTのユースケースを色々開拓するという点では、こういう試みはいいことだと思います。

ただそれと、個別のコレクションの「長期的な生存確率」はまた違う話で、Web3型のNFTがUtility重視の工業品だとしたら、ビンテージNFTはレアで味のある工芸品、みたいなものでしょうか。

ビンテージNFTはその点では「特に何もやれることがない」というのがある種の問題、と言えば問題ですが、Emblem VaultというCounterparty上のトークンをイーサリアムやSolana上のトークンとして「ラップ」する、というような技術も去年出てきたり、もしかしたらビンテージNFTもいわゆるWeb3的な使い方をされるようになるのかもしれません。

−−いま一度、ビットコインの価値について、ご説明いただけますでしょうか?

ビットコインの価値はビンテージNFTとは直接は関係ないです。

ただビットコインのブロックチェーン上のビンテージNFTの存在は、現在のNFTと呼ばれるコンセプトの基礎部分はビットコイン上のプロジェクトで醸成されていった、というところの証人のようなものではあります。

今も一般には早すぎて気づかれていないだけで、ビットコインやライトニングネットワーク上でクリエイティブな応用を考えている人たちもいます。

ビットコインは別にNFTをやる為に存在するチェーンではないですが、今後例えばライトニング上などでビットコインの送金を超えた、各種権利のトークン化であったり、新しいタイプのアプリケーションをセカンドレイヤー上で構築する時に新しい応用やユースケースやクリエイティビティは求められるので、そういう動きをビンテージNFTが売上の一部を開発支援に回したり、インスピレーションになると個人的には嬉しいです。

補足として伝えさせてください。去年くらいからNFTに興味を持って入ってきましたが、ビットコインは全然わからないし興味もない人も少なからずいると思います。

これからNFT需要の低下と価格の下落や、関係者による不正行為、金融と絡めることで予想外の崩壊など、そういう苦い経験も増えると思っています。

そういう動きとビットコインは似てむしろ全く対極にあるもので、価値や信頼とは何か、ということを考えた時のシンプルな結論として、ビットコインというものの仕組みや価値について考えるきっかけになるかもしれません。

サイト:https://rarejapanesenfts.com/
images:iStocks/Arkadiusz-Warguła・LongQuattro
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した

バイナンスのHODLer Airdropsで「1000CAT」と「PENGU」取り扱い開始、シードタグ銘柄として上場も

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、エアドロップサービス「ホドラー・エアドロップ(HODLer Airdrops)」において、暗号資産(仮想通貨)「シモンズ・キャット:Simon's Cat(1000CAT)」および「プディー・ペンギンズ:Pudgy Penguins(PENGU)」を取り扱うことを12月16日に発表した