クラウドフレアがイーサリアムノード立ち上げ、web3実験開始へ
コンテンツデリバリネットワーク(CDN)やセキュリティサービス、DDoS防御など統合型グローバルクラウドネットワークを提供するクラウドフレア(Cloudflare)が、「PoS(プルーフオブステーク)」を採用する次世代web3ネットワークに向けた実験を開始することが5月16日に分かった。
実験の目的は、環境問題へのコミットメントとより良いインターネットの構築を両立させるためだという。
クラウドフレアは今後数ヶ月の間に、同社のグローバルネットワーク上でイーサリアムのバリデータノードを立ち上げ、大型アップデート「The Merge」に対応する予定とのことだ。そしてこれらのノードは、エネルギー効率、一貫性管理、ネットワーク速度に関する研究の実験場として機能する予定だという。
また同社は、イーサリアムの安全性、高速性、エネルギー効率を維持するためのコアインフラの研究開発に参加する方針も示した。
同社は4年前に、分散型ストレージ「IPFS」へのゲートウェイでweb3に関する最初の実験を行っていた。そして3年前には、実験的にイーサリアムへのゲートウェイを発表していた。
同社はビットコインが採用するコンセンサスアルゴリズム「PoW(プルーフオブワーク)」には批判的であり、発表で「多くのブロックチェーンを保護するPoWは、web3エコシステムのブートストラップにおいて重要な役割を果たしました。しかし、これらのシステムは、今日のような利用率では上手くスケールしません。PoWは、コンセンサス形成と攻撃防止のために複雑な暗号化関数に依存しています」と説明した。
さらに「このプロセス(PoW)は、膨大な量のハッシュ化が行われるため非常に安全ですが、無駄が多いです。この無駄は、PoWのコンセンサスメカニズムが電力を大量に消費するという事実によってもたらされています。PoWのエコシステムでは、エネルギー消費量は使用量に比例して増加します。そのため、例えば2020年にweb3が軌道に乗ったとき、ビットコインネットワークはスイスと同量の電力を消費しました」と伝えている。
ちなみにクラウドフレアは、次世代のコンセンサスアルゴリズムはPoSとProof of Spacetime(PoST)に基づくと確信しているようだ。
PoSTは、ネットワーク参加者が一定期間にわたってネットワークにストレージ容量を割り当てたことを証明するための方法で、Filecoin(FIL)が採用している。
参考:Cloudflare
images:iStocks/dalebor
デザイン:一本寿和