米FISとFireblocksが提携、資本市場顧客のDeFi活用可能に

米FISとFireblocksが提携、資本市場顧客のDeFi活用可能に

米ナスダック上場の金融サービスプロバイダーFIS(Fidelity National Information Services)が、ファイヤーブロックス(Fireblocks)と提携したことが4月13日に分かった。

両社提携の目的は、あらゆる種類の企業が、暗号資産(仮想通貨)取引所、流動性プロバイダーおよび分散型金融(DeFi)アプリケーションなどにアクセスできるようにすることだ。そして取引期間1年以上の金融取引が行われる「資本市場(キャピタルマーケット)」における暗号資産のマスアダプションを加速させていく狙いがある。

具体的に、FISの資本市場の顧客は、ファイヤーブロックスのプラットフォームを活用することで、暗号資産の移動、保管、発行が可能となり、セルフカストディのデジタル資産ウォレット技術、資産移転ネットワーク、ステーキング、DeFiなどのツールにアクセスすることができるようになったという。

FISは世界中の様々な金融機関や企業にテクノロジー・ソリューションを提供する企業で、毎年20000以上のクライアントへのサービスで約750億件の取引処理を通じて、約9兆ドルを動かしている。従業員数は9万人以上。

ファイヤーブロックスは、ブロックチェーンインフラ開発企業で、豪大手銀行ANZとステーブルコインを開発など、金融機関との連携を進めている。また同社は昨年7月にシリーズDラウンドで約340億円を調達している。

ちなみにリリースによれば、米国の機関投資家の69%が投資ポートフォリオの一部として暗号資産を採用したいと考えているようだ。

FISの資本市場部長であるナセル・コードリ(Nasser Khodri)氏は、次のようにコメントしている。

「デジタル資産がマスアダプションしていくににつれ、資本市場の企業は、多くのクラスのデジタル資産の管理を支援するという1つの目標から大きな利益を得ることになります。このエキサイティングな新しい契約は、当社のグローバルな顧客基盤のためにデジタル資産機能の拡大に投資するという当社のコミットメントを証明するものです」

ファイヤーブロックスの最高経営責任者であるマイケル・シャウロフ(Michael Shaulov)氏は、次のようにコメントしている。

「FISとの戦略的パートナーシップにより、Fireblocksの技術は伝統的資産におけるほぼすべてのタイプのバイサイド、セルサイド、企業機関に提供されることになります。FISの既存顧客と見込み顧客がデジタルアセット業務に着手し、これらの急成長市場に参入するための迅速な方法を可能にします」

参考:FIS
images:iStocks/TaiChesco・Lidiia-Moor
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
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