FTX、欧州と中東へ事業拡大に向け「FTX Europe」を設立
暗号資産(仮想通貨)取引所などを運営するFTXが、「FTX Europe」を設立し、欧州および中東地域へ事業拡大していくことが3月7日分かった。また「ftx.com/eu」のドメインを通じて、キプロス金融市場規制当局であるCySEC(Cyprus Securities and Exchange Commission)から認可を取得したとのことだ。
欧州と中東のユーザーは「FTX Europe」を通じてデリバティブ、オプション、ボラティリティ商品、トークン化された株式、その他のサービスや商品を含むFTXの商品にアクセスできるとのことだ。
現在「FTX Europe」は、スイスに持株会社を持ち、FTXの欧州および中東への事業展開を目的とした部門として運営されている。また中東キプロス共和国にも地域本部を設置しているとのこと。
CySECの認可取得について「キプロスは投資会社にとって非常に評判の高い司法権であり、規制された会社は欧州経済領域(EEA)全体(欧州連合と3カ国を含む)へのアクセスを提供します」とし、「ヨーロッパのユーザーにデリバティブサービスを提供できるようになったことは、ヨーロッパにおける暗号資産取引所の新しいスタンダードとなります」と発表にて説明されている。
「FTX Europe」は今後、欧州経済圏全域でライセンスを持つ投資会社を通じて、欧州の顧客にFTXの主要商品とサービスの提供を開始するとのこと。またこれらの地域のユーザーは、FTXの取引技術と暗号資産の提供により、様々な暗号資産商品を取引できるとFTXは述べている。
なおFTXのグルーバルの展開としては、FTXのアメリカ法人「FTX US」がゲーム事業開始の為の新部門「FTX Gaming」の設立や、トークン化した株式の取引を提供する米国版「FTX Stocks」を今年に入り設立している。そして1月に米国市場本格参入に向け、日本のソフトバンクグループ(SoftBank Group)やシンガポールのテマセク・ホールディングス(Temasek Holdings)などの投資家から、シリーズAの資金調達ラウンドで約460億円(4億ドル)を調達している。
また日本への展開としては、先月2月、日本の暗号資産取引所Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)の親会社であるリキッドグループ(Liquid Group Inc)を買収し、既存の日本居住者のFTXユーザーをコイン(Quoine)に3月30日に移管するとしている。
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参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
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