草津の温泉旅館でSTO実施へ、三井物産デジタル、三菱UFJ信託、野村証券が協業
三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)と、三菱UFJ信託銀行および野村證券が、不動産を投資対象とした資産裏付型セキュリティトークン(ST/証券トークン)の公募を実施することが2月25日に分かった。
なおこのSTには三菱UFJ信託銀行が提供するブロックチェーン基盤「プログマ(Progmat)」が活用されるとのこと。
「プログマ(Progmat)」を選定した理由は、セキュリティトークンの取引を支える仕組みとして、投資家の権利が保全され、譲渡に際しても安定的に権利を移転でき、かつそれらの処理を効率的に実現できるプラットフォームとして適切だと考えたからだという。
このSTは、三菱UFJ信託銀行が受託者に就任予定の温泉旅館の信託受益権を裏付資産とし、主に個人投資家向けの提供を予定している。
有価証券報告書によれば、公募対象となっているのは「草津温泉 湯宿季の庭・お宿木の葉(譲渡制限付)」で、公募金額は「20億8,900万円」となっている。また発行数は4178口で1口あたりの発行価格は50万円。申込期間は2022年3月18日から3月24日で、10口以上からとなっている。
なお三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル技術を活用して資産運用の様々な非効率を解決することで、不動産・インフラ等の実物資産への投資機会の提供及びアセットマネジメント業務のDXの実現を目指しており、運用資産総額(Asset Under Management:AUM)は昨年10月の業務開始から約5か月で約600億円となっているという。
また三菱UFJ信託銀行は、2月9日に日本円連動型のステーブルコイン「Progmat Coin(プログマコイン)」発行について発表した。
そして同行は優待等を対象としたNFT発行プラットフォーム「Progmat UT」とウォレットの開発を発表している。
「あたらしい経済」編集部は、LayerX執行役員および三井物産デジタル・アセットマネジメント 取締役の丸野宏之氏へ取材を行なった。
−このSTにおいて、投資家への報酬などを含めたレポーティングのあり方は、具体的にどのような形をとっていくのでしょうか?
基本的には販売証券会社である野村證券様の方針に従いますが、当社としては前回公募時と同様、以下のようなサイトを通じたご報告をさせていただく予定です。(主に年2回の決算発表毎) 。
サイト:https://ir.alterna-x.com/ir001/
−今後のST市場の動向に関する、意見を教えていただきたいです。
昨年は当社も含めて複数の不動産STの公募がローンチし、まさに「不動産STO元年」といえる年でした。
今年は、そういった事例を見た事業者が参入し始めることで拡大期に入り、組成件数・規模共に増えていくと考えております。
また、セカンダリー市場の議論も活発に行われておりますが、そもそも買えるものモノ(プライマリー)がなければセカンダリーは起きません。当社としても、引き続き商品組成に注力し市場発展に貢献していきたいと思います。
参考:有価証券報告書
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デザイン:一本寿和