UPDATER、ブロックチェーン活用のサプライチェーンソリューション提供開始
UPDATER(アップデーター/旧社名:みんな電力)が、サプライチェーン構築を目指す事業者向けに、製品の生産過程においてどの生産者にいくら支払われたのかなど、お金の取り引き結果を見える化する「ブロックチェーンソリューションα版」の提供を開始したことを2月7日発表した。
またこのソリューションは同社の再生可能エネルギー事業「みんな電力」の電力取引証明で実績のある「ENECTION2.0」を応用したもので、環境や人権などに配慮したサプライチェーン構築を目指す事業者向けに提供するシステムとなっている。なおブロックチェーン基盤には「Stellar(ステラ)」を採用している。
アップデーターはこのソリューションについて『製品の購入者に対してお金の行き先を証明するという付加価値を提供することで、事業者の「選ばれるブランドづくり」をサポートします』と説明している。また購入者が自分の支払ったお金がどこに届いているのかを証明することで、消費者と企業が一緒になって社会課題の解決に取り組んでいることを可視化できる仕組み構築を目指すとのことだ。
なおアップデーターはこのソリューションを活用して、販売価格に含まれる寄付金・応援金などプレミアム価格分の見える化する実証を1月28日より行っているとのこと。
この実証では、販売価格のうち100円相当が応援金としてカカオ生産国の社会課題解決に使われるチョコレート「タドれるチョコ」を販売し、その応援金が指定の団体に支払われたことを改ざんできない状態で証明するとのことだ。
具体的には、小売事業者・商社、そして応援金を受け取るガーナ・ベネズエラ・フィリピンの団体名でウォレットアドレスを発行し、アップデーターが「TADORiトークン」を発行し、1円=1TADORiトークンに置き換え、各アドレスに送金する。これにより「タドれるチョコ」の販売価格に含まれる応援金の流れをブロックチェーン上で証明するとのことだ。なお取引のトランザクション結果は購入者もWEB上でも確認できるという。
このようにこのソリューションは、現在において応援金や寄付金の可視化にとどまっているが、将来的には購入者が決済した瞬間に応援金や寄付金の使用用途を選択できる仕組みの実現を目指すとのことだ。
アップデーターは「ブロックチェーンソリューションの普及を通じて、自分が支払ったお金の行き先を把握することで、購入者にも参画感を感じてもらい、企業と一緒に社会課題を解決する体験を創出していきたい」としている。
なおアップデーターが提供する「ENECTION2020」は発電量と需要量を30分ごとにマッチングでき、どの発電所からどれくらいの量の電気を利用しているかを、改ざん困難なブロックチェーン上に記録することで、発電所を指定した電力取引が証明できる電力トレーサビリティシステムだ。
このソリューションについては昨年6月より、小売電気事業者向けに販売開始している。
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参考:UPDATER
デザイン:一本寿和
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