ミャンマー軍事政権が独自デジタル通貨を発行か
ミャンマー軍事政権が年内にデジタル通貨発行を計画していることを、ブルームバーグが2月4日に報じた。
報道によると軍事政権は、デジタル通貨を発行することで、ミャンマー国内の決済のサポートと経済の活性化をすることが狙いだという。
軍事政権の副情報相を務めるゾーミントゥン(Zaw Min Tun)少将は「(デジタル通貨発行を)地元企業との共同事業として行うか、政府単独で行うかは未定だ」と述べているとのことだ。
世界銀行の報告書によると、ミャンマーの経済は2021年9月期に18%縮小したと推定されており、今年の9月までの経済成長率はわずか1%と予測されている。新型コロナウィルス感染症とクーデターがなければ30%の成長が見込まれていたとされている。
一方で昨年12月、ミャンマー連邦共和国の合法的な政府であると主張する機関、国民統一政府(NUG)は、米ドルペッグのステーブルコイン「テザー(USDT)」を国内の公式通貨として受け入れたとされている。
NUGは、2021年2月1日にミャンマーにおいて同国国軍が企図したクーデターを発端に、暫定政府となった軍事政権へ対抗するため樹立された組織である。アウンサンスーチー氏が国家顧問を務めている。
なお「テザー」を公式通貨とした理由は「現在の貿易、サービス、決済システムを容易かつスピードアップするために国内で使用する為」とNUG財務大臣のティントゥンナイン(Tin Tun Naing)氏が自身のFacebookへ投稿している。
なおクーデター以前の2020年5月には、ミャンマー中央銀行は国内で暗号資産取引をした国民に対し、投獄もしくは罰金を科すと発表していた。今回の軍事政府のデジタル通貨発行について、中央銀行が関与しているかは不明である。
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参考:ブルームバーグ
デザイン:一本寿和
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