暗号資産税務ソフトウェアCoinTrackerが約115億円調達、米国税制の強化が背景か

CoinTrackerが約115億円調達、米国税制の強化が背景か

暗号資産(仮想通貨)に関する税務ソフトウェアサービス提供の米コイントラッカー(CoinTracker)が、シリーズAラウンドで約115億円(1億ドル)を調達し、企業評価額が約1,500億円(13億ドル)となったことが1月27日に分かった。

コイントラッカーは2017年創業の企業で、一般消費者向けの暗号資産ポートフォリオトと税務コンプライアンスサービスを提供している。またコイントラッカーはコインベースやオープンシー(OpenSea)の独占的なパートナーとなっているようだ。

そしてこの資金調達ラウンドには、アクセル(Accel)が主導し、ジェネラルカタリスト(General Catalyst)、イニシャライズドキャピタル(Initialized Capital)、Yコンビネーター(Y Combinator Continuity)、776ベンチャーズ(776 Ventures)、コインベースベンチャーズ(Coinbase Ventures)、イントゥイトベンチャーズ(Intuit Ventures)、クラーケンベンチャーズ(Kraken Ventures)などの投資ファンドが参加した。

また個人投資家として、ストライプ(Stripe)元COOのクレア・ヒューズ・ジョンソン(Claire Hughes Johnson)、コインベースおよびピンタレスト(Pinterest)取締役のゴクル・ラジャラム(Gokul Rajaram)、アファーム(Affirm)やスナップチャット(Snapchat)の早期投資家ジェレミー・リュー(Jeremy Liew)、ディール(Deel)CEOのアレックス・ブアジズ(Alex Bouaziz)が参加した。

このラウンドで調達した資金は、人材採用、適応ブロックチェーンを増やすこと、DeFiやNFTのサポートに充当していく予定とのこと。

また今回の資金調達背景には、米国での暗号資産に関する税制強化があるようだ。すべての取引所がユーザーのすべての取引をIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)に報告することを義務付ける、米国のインフラ法案など、新しく複雑な税制が動き出している状況があるとのこと。

コイントラッカーのCEO兼共同創業者であるジョン・ラーナー(Jon Lerner)氏は次のようにコメントしている。

「コイントラッカーとその投資家は、世界の経済的自由と繁栄を高めるという共通の使命を担っています。アクセルのような業界をリードする投資パートナーは、人々が自分の資産と税金をよりコントロールできるようにするという私たちのビジョンと機会を信じています。私たちは、暗号資産ポートフォリオの追跡と税務コンプライアンスをシームレスにし、最終的に暗号資産のマスアダプションを可能にし、加速させるために、アクセルと提携できることを非常にうれしく思っています」

昨年6月に、IRSは議会予算正当化案および年次業績報告書・計画にて、米国の税務当局が暗号資産(仮想通貨)の取締りを強化するための具体案を公開していた。 その具体案には暗号資産を利用した脱税などの取締りに役立つ企業との契約を増やす狙いが示されていた。今年度より、米国では実際に取り締まり強化が進むことが予想される。

参考:Cointracker
images:iStocks/TaiChesco・BadBrother
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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