「FTX US」がソフトバンクらから約460億円調達、米国市場本格参入へ
暗号資産(仮想通貨)取引所FTX USが、日本のソフトバンクグループ(SoftBank Group)やシンガポールのテマセク・ホールディングス(Temasek Holdings)などの投資家から、シリーズAの資金調達ラウンドで約460億円(4億ドル)を調達したことがわかった。
またFTX USの企業評価額は約9,100億円(80億ドル)に達したと1月25日に発表した。この資金調達ラウンドには、暗号資産投資会社パラダイム(Paradigm)とマルチコインキャピタル(Multicoin Capital)からの投資も含まれている。
FTX US社長のブレット・ハリソン(Brett Harrison)氏は「今回の資金調達が意味することは、アメリカにおける暗号資産取引所の最大の競合相手と、対等にビジネスができる舞台に立てることであり、今後も非常に急速に拡大していくことを世界に示すことです」と語った。
現在は下落しているものの、2021年には暗号資産の価値が急上昇し、同年11月には約340兆円(3兆ドル)を突破したことを受け、ベンチャーキャピタルなど投資家は、この業界に資本を投下することを希望するようになっている。
調査会社ピッチブック(PitchBook)によると、ベンチャーキャピタルは2021年に約3.4兆円(300億ドル)を暗号資産に投資したようだ。
シカゴに拠点を置くFTX USは、ウォールストリートの元エグゼクティブらによって2020年に立ち上げられ、大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)やバイナンス(Binance)と競合している。
昨年10月には、FTX USがレジャーエックス(LedgerX)を買収し、暗号資産先物・オプション取引への進出を図っている。
FTX USの第3四半期の1日平均出来高は約3億6,000万ドルだった。同社の利用者は前四半期比で52%増加したが、同社は全体の利用者数の公表を控えている。
そしてFTX USは、調達した資金をユーザー基盤の拡大や新規事業の立ち上げに活用するほか、戦略的投資や買収も検討するとしている。
またハリソン氏は「100人規模のスタッフの拡大も計画しています。調達した資本があるからこそ、競争力をもち、優秀な人材を採用できるのです」と語った。
(Reporting by Hannah Lang in Washington; Editing by Himani Sarkar)
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
images:Reuters