IMF、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化の見直しを勧告
国際通貨基金(IMF)が、エルサルバドル政府に対してビットコインを法定通貨として扱うことを見直すように勧告したことが1月25日に分かった。IMF理事会がエルサルバドルとの協議を経て勧告されたようだ。このような協議はIMFが年に1度、加盟国に対して実施している「4条協議(Article IV consultation)」と呼ばれている。
IMF理事らは、エルサルバドルが昨年9月にビットコインを法定通貨化したことに対し、強い懸念を抱いているようだ。
IMFは「2021年9月以降、エルサルバドル政府はビットコインを法定通貨として採用しました。しかし暗号資産を法定通貨として採用することは、金融や市場の整合性、金融の安定性、消費者保護に大きなリスクを伴います。また、偶発債務を生む可能性もあります」と説明している。
またIMF理事らはエルサルバドル政府が提供するビットコインウォレット「チボ(Chivo)」が、同国の金融包摂の役割を担う可能性を認めつつも、それに対する厳格な規制と監督の必要性も強調した。
具体的にIMFは「ビットコインの法定通貨としての地位を取り除き、ビットコイン法の範囲を狭めるようエルサルバドル政府に促しました。また一部のIMF理事は、ビットコインを裏付けとする債券の発行に伴うリスクについて懸念を表明しています」と発表している。
エルサルバドル政府は1月22日に410BTCを追加購入し、合計保有額は1801BTCとした。またエルサルバドル政府は中小企業向けの低金利ビットコイン建ローンの提供を検討していることも明かしている。エルサルバドル政府は引き続き、ビットコインに関する動きは強めていくように思える。
一方、IMFは昨年7月にもエルサルバドルがビットコインを法定通貨にすることに対して、否定的な見解を示している。IMF加盟国として、エルサルバドルとIMFがどのような結論を導くかは注目だ。
参考:IMF
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デザイン:一本寿和