【取材追記】クリプトゲームス、フルオンチェーンNFT発行サービス提供開始

クリプトゲームス、「FullOnChainNFT」提供開始

ブロックチェーンゲームなどNFTサービスの開発を行うクリプトゲームス(CryptoGames)が、フルオンチェーンでNFTを発行するサービス「FullOnChainNFT」の提供開始を1月21日発表した。

このサービスは永続性や価値担保が保証された本質的なNFTの普及を目指し、クリエイターや事業者向けに提供するとのこと。

フルオンチェーンで作成されたNFTは、画像データを含むすべての情報がブロックチェーンに書き込まれている状態のことを指す。

クリプトゲームスは「現在、世の中に流通しているNFTは、すべての情報がブロックチェーン上に記録されているわけではない」とし、一般的には、IPFS(分散型ファイルサーバー)などで画像や動画ファイルを保管し、そのファイルへの参照先URLをブロックチェーンのメタ情報に書き込むことで、NFTの中身が改ざんできない状態を担保していると説明している。そのため、IPFSであっても、未来永劫サーバーが存在し続けるとは限らないため、永続性の観点では完全なソリューションではないと、同社は指摘している。

一方で今回のサービスのようにフルオンチェーンでNFTを作成することで、イーサリアム(Ethereum)など基盤のブロックチェーンが無くならない限り、データが存在し続けられる状態を完全に担保でき、よりNFTとしての永続性や価値担保が保証されるとのことだ。

クリプトゲームスの「FullOnChainNFT」では、クリエイター向け・アニメーション・コレクティブの3つのフルオンチェーンNFT発行を用意しており、チェーンについては、イーサリアムとポリゴン(Polygon)が選択可能だという。

なおJPEGやPNGなどから変換したSVG(Scalable Vector Graphic)ファイルの場合、サイズが大きくなり発行できない可能性が高いため対象は変換したSVGでなく、SVGで生成された作品のみとのことだ。

「FullOnChainNFT」の利用には、申請フォームから申し込み、サービス概要・注意点に関する案内、収益分配や権利関係を定めた契約書の締結、素材の納品、発行・販売という流れになるようだ。

あたらしい経済編集部はクリプトゲームスへ、サービス利用についての費用や、フルオンチェーンでNFTを発行する今までのハードルなどについて質問をしている。回答が得られ次第この記事に追記をさせて頂く予定だ。

以下2022.1.26 13:30追記

あたらしい経済編集部はクリプトゲームスへ次の質問を行い、回答を得た。

–「FullOnChainNFT」の利用に関する具体的な費用はいくらでしょうか?

初期費用はクリエイター3万円、企業5万円で、収益分配がクリエイター・企業:弊社(CG)=80%:20%となっています。まずはフルオンチェーンNFTの普及を目的としてるため、SVGファイルのサイズ検証やプロモーション等の業務も含めた費用を設定しています。

海外市場ではSVGファイルのみならず楽曲のフルオンチェーンNFTの事例もあり、さまざまな可能性をともに探究していければと考えておりますのでお気軽にお問い合わせください。

–フルオンチェーンでNFTを作成するには今までどんなハードルがあったのでしょうか?なぜ一般的にはIPFSで対応しているのでしょうか?

Jpegやpngをそのままオンチェーンにする場合にはスマートコントラクトのサイズ上限(イーサリアムの場合は24KB)を超えてしまうハードルがありました。

企業のサーバーではなくIPFSに対応することで半永続的な保存が可能とされているため一般的にはIPFSが活用されていますが、ネットワークに接続しているノードが全てのデータを捨てる場合、データの半永久的な保存は保証できないといった課題も存在しています。

例)ノードのストレージの問題から参照されていないファイルから捨てる場合→各ノードが1日1回全消去。全ノードがやったら、IPFS上のファイルは全部なくなる。それを守る仕組みはIPSFはない。

IPFSは、情報をキャッシュしているノードが一つでも生き残っていれば、誰かがその情報を欲したときにそれを手に入れることができますが、合理性の観点からそのデータを消去する場合もあるため本質的にはデータの半永久的な保存は保証されていません。

そのためSVGを活用したフルオンチェーンNFTによる「永続性」「価値担保」といったNFTが有する本質的な価値の提供に着目しました。

–一般的にはIPFSで対応されているなかで、フルオンチェーンでの発行を希望する声はどれ程多かったのでしょうか?

NFTは広義にわたる解釈と利活用がなされており、弊社でも国内外の市場においてパブリック・プライベートチェーンを問わずさまざまなNFT企画を行なってきました。

その中で「NFTが有する本質的な価値とは?」といった観点からフルオンチェーンNFTを検討される声が昨年の12月から多くなり、弊社エンジニアの監修のもとで事業化を検討するにいたりました。

弊社はあくまでクリエイターや事業者様の企画や事業開発サポートを主幹事業としていますのでフルオンチェーンNFTを活用した事業アイディアがございましたらお気軽にお問合せいただければ幸いです。

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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