Web3時代はすぐそこか? 暗号資産・ブロックチェーン業界を牽引する52人の「2022年の展望」

業界を牽引する有識者の「2022年の展望」(page 2)

AOMIDORI PTE. LTD. CEO 小宮自由

サトシ・ナカモトは完全なピア・ツー・ピア型のデジタル通貨であるビットコインを生み出し、その後消息を絶ちました。その理由は諸説ありますが、有力なものとして、ビットコインがマネーゲームに利用され始めたことに嫌気が差したという説があります。サトシが経済的に「一発当てる」為にビットコインを作り出したのではないことは、彼の発言を見れば明らかです。

現在のブロックチェーンのユースケースは、そのほとんどが投機的側面を強く有しています。したがって、ブロックチェーンはほぼマネーゲームにしか使われていないというのは、2021年までにおける客観的事実でした。

Web3やDAOという新しい概念は、これを変えることができるでしょうか。それとも、結局はマネーゲームの別名に過ぎないのでしょうか。多くの一般企業もブロックチェーン関連サービスをリリースするであろう今年、その答えがついに得られるのではないかと思います。

→小宮自由

クリプタクト代表取締役 斎藤岳

2021年はDeFiがさらに拡大し、仮想通貨という分散型システムの資産として誕生したアセットが、取引そのものも分散型で行うことを皆が受け入れ始め、またテクノロジーも発達してきた。 技術的にも思想的にも仮想通貨に適したDeFi取引は今後さらに拡大し仮想通貨取引の主戦場となるだろうが、同時に取引所等のCeFiは法定通貨とのゲートウェイとして、その棲み分けが進むと考えている。

不確定要素としては規制。ステーブルコインに対する規制でとどまるのか、それを超えて拡大するpeer-to-peerの取引に対しても対応しようとするのか。

方法論に加えて個人の権利の問題など、CeFiに対する規制とは異なる難しさがある中で、結果的に法定通貨とのゲートウェイを絞るといったCeFiへの規制強化の方向に走るのが最大のリスク。

→株式会社クリプタクト

慶應義塾大学経済学部教授/ Economics Design Inc 共同創業者・取締役 坂井豊貴

タイトル:「サイバー空間で人間は靴を履くのか?」

サイバー空間でアバターはどのような靴を履くか、というのが私の最大の関心事です。距離の概念が無い世界なのだから、靴は必要ないはずです。しかし人間は着飾りたかったり、ファッションで自分を表現したかったりする生き物です。昨年末ナイキはNFTスニーカー企業を買収しました。やつらはサイバー空間でも人間にAir MaxやらAir Jordanやらを履かせるつもりのようです。

フィジカル空間での既存ブランドは、サイバー空間に、どれほどそのブランド価値を持ち込めるのでしょう。たとえば日本の画壇は、NFTアートの世界で、ブランド価値を発揮できるでしょうか。この問いは広義のブランドに当てはまります。ブランド価値の獲得は、陣取り合戦のようなものです。メタバースやWeb3.0は日本でもバズワードになってきていますが、こうした合戦について、まだ日本社会で理解が進んでいるようには見えません。 ブランド価値の体系に、ガラガラポンは起こるのでしょうか。

小声で言うのですが、わたしは起こったら面白いなと思っています。NIKEのように賢い既存ブランドが頑張ってこない業種では、けっこう起こると予想しています。ビットコインの面白さの一部は、物事をひっくり返す快楽に由来しているはずです。そのような価値の転覆を見てみたい、そして関わりたいと思っています。

→Economics Design Inc.

BlockBase 代表取締役 CEO 真木大樹

2021年は予想していた以上にNFT領域の成長が大きかったです。NFTは技術的な難易度は高くないので自分が頑張らなくてもいいサービスがどんどん出てくるだろうと考えていて、実際にその通りになってきましたが、反省として、自分も大きな波に乗れるように準備しておくのが大事だということを学びました。

2022年は、より多くのNFTのユースケースが開拓され、よりマルチチェーンでNFTが管理されるようになり、またNFTに関する活動をもとにデジタルアイデンティティが形成されていくだろう、と考えているので、その大きな流れに貢献できるように、各種ツールやサービスを作っていこうと思います!

→BlockBase株式会社

スタートバーン代表取締役 施井泰平

NFTの潜在的な可能性には、多くの業界関係者が気づいていたにも関わらず、2021年に世界を巻き込んで話題になると予想できた人は少なかったと思います。ブロックチェーンは未だに多くの可能性を秘めていて、何がいつどういうきっかけで爆発していくか、今後も分からないことだらけです。

ただ言えることは、「理想のNFT」も「WEB3.0の世界」も、いずれ必ず社会に浸透していく。そんな予感は、年を追うごとに確信に変わってきています。

引き続きスタートバーンは、それを推し進めるために必要な環境の整備と、その先にある社会の魅力と意義を喚起していきます。喧騒の中で本質を見失うことのない2022年にしたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

→スタートバーン株式会社

暗号屋 代表社員 紫竹佑騎

2021年のブロックチェーン業界は「 NFT ブーム」が特に目立ちました。またブロックチェーンという技術用語自体も徐々に Web3 (ウェブスリー)という名前でスタートアップ業界を中心に浸透し、暗号屋としても様々な企業様へのアドバイザリーや協業を通して、多くの Web3 関連事業のサポートを行ってきました。

これも金融、IoT データ領域、メディア関連ビジネスなど、幅広くブロックチェーン / Web3 の領域でやって来た我々だからこそ対応できるものであり、暗号屋の強みだと胸を張って言える部分です。

そして 2022 年からは日本でも Web3 の文脈で注目されるであろうキーワード 「DAO」についても、暗号屋は社会実装を進めて行きます。暗号屋はブロックチェーン技術を使うことで非中央で分散型のプロトコルを介してフェアなインターネットWeb3を人々にわかりやすく社会実装し、プロトコルを中心とした DAO を世の中に生み出していきます。

→合同会社 暗号屋

コンセンサス・ベイス 代表取締役 志茂博

全体感としては、暗号通貨(コイン)単体の注目度は下がり、アプリケーションに注目がより集まる。実験的なものや初期段階のアプリが多く出てくる年になると予想します。

スケーリング: ETH2.0やRollupによるスケーリングが、2022年で最も影響のあるトピックと予想。より早く安い取引処理は、ユーザー体験やサービスの作り方やビジネスの方法が変わるため、今までに考えられなかった新しいサービスが生まれる土壌を作る年に。

Web3: 中身に大きな変化はないが急に話題になった感の強いWeb3。用語の意味がより曖昧になりつつも話題性から参入する投資家、起業家が増えるが、国内では特に大きな変化はない。海外では数百以上のチャレンジが行われ後半に数個の革新的なアイディアやサービスが出てくると予想。

NFT: 投機的なブームやURLを記載するだけのNFTは下火に。NFT x DAO や NFT x DeFi や Dynamic NFT など新しいチャレンジが沢山行われる。そのうちいくつか新しい概念が出てくる。メタバース x NFTは、模索状態が続く。バーティカルなNFTプラットフォームが増える。NFTマーケットプレイスは2021年で増えたが、OpenSea以外は苦戦が続く。海外の大企業によるNFT活用がさらに加速する。利用権として利用が増える。

DAO: カオスマップでは書けない位にDAOが乱立。DAOユーザーが急増。DAOプロジェクト支援やDAOユーザの支援サービスが増える。国際的な法律・規制・会計・税制との模索が続く。

DeFi: 業界内ではDeFi利用が当たり前になっている状態から、DeFi連携の時代へ。DAOによるDeFiによる運用が増える。

DID: ENS、KYC、オンチェーンの信用情報などの連携を含め進展。

大きな変化は起きない:Bitcoin、Lightning Network、エンタープライズブロックチェーン、STO、CBDC

規制: FATF関連規制でアドレスや本人確認で厳しい方向に。ステーブルコインの規制が強まる。日本居住者向け日本円ステーブルコインは厳しい状況への兆候が現れる。

投資: 世界的に企業や暗号資産への投資は大きく増える。日本での投資は海外に比べると、さほど増えない。

起業: 日本人による海外での起業方法がある程度標準化されていく。

→コンセンサス・ベイス株式会社

chaintope 代表取締役社長 正田英樹

2022年はグローバルな観点での正しさの証明に強く目が向けられる年になると思います。 そのため、パブリックなチェーンの多様な活用が始まると思われます。

政府の掲げる「グリーン×デジタル」の政策のもと、CO2の排出量・削減量の見える化、グローバルなサプライチェーン上でのトレーサビリティ、リサイクルの見える化など大きな繋がりの中での確かさの証明にブロックチェーン活用が増えるでしょう。 行政のデジタル化もデジタル庁が設立され、正しいデジタルデータの共有としてブロックチェーンへの注目がされ始めると思います。

2021年のNFTの盛り上がりは目覚ましいものがありましたが、2022年はNFT同士の繋がりやメタバース領域での展開など、多様化したNFTの応用事例が出てくると思われます。 地域通貨の広がりやファントークンなど地方創生領域での活用も増えてくると思います。 私どももエンタープライズ向けパブリックチェーン「Tapyrus」を活用し、地方創生領域での活用事例を積極的に作って行きたいと考えております。

→株式会社chaintope

Fracton Ventures Co-Founder 鈴木雄大

今年のクリプト領域については、大きく3つの変化が訪れると見ています。

(1)日本でのWeb3.0の浸透 日本では昨年末から一気にWeb3.0という言葉が普及し出しました。昨年のNFTやGameFiのような事例が日本人起業家主導にて見られるようになってくるのではと期待しています。

(2)zk-Rollupが普及する 主にEthereum上で大量のトランザクションを捌く為の仕組みであるRollup系のソリューションは、昨年登場し話題を集めました。今年は中でもzk-Rollupを活用したプロダクトが注目され、使われていくと感じています。

(3)DAOのイノベーション Web3.0のプロトコルの成長の為にも、DAOを支えるツールを作るDAOやDAOをアドバイスし育てるDAOが登場すると見ています。

→Fracton Ventures株式会社

techtec 代表取締役CEO 田上智裕

2021年はマルチチェーンの時代でした。この流れは継続しつつ、2022年はイーサリアムのL2の1年になると思います。L2プロジェクトがトークンを発行した場合、2022年末の時価総額ランキング上位の顔ぶれはガラリと変わっている可能性すらあります。

イーサリアムエコシステムの最前線からは、イーサリアム2.0の「The Merge」やL3,L4が注目ポイントです。 プロトコルの成熟と共に、DeFiやNFTもさらに加速すると思います。

DeFi2.0では、資本効率が改善されエコシステムから資本が流出しにくくなりました。NFTは単純な売買だけでなく、権利としての活用が進むと思います。 こういったトレンドを横目に、日本ではカストディ規制と税制問題の深刻さが浮き彫りになるでしょう。

2021年はWeb3やDAOが注目を集めましたが、これらは現状のカストディ規制と税制問題によっていとも簡単に打ちのめされてしまいます。どうにかせねば。

→株式会社techtec

クラーケンジャパン(Payward Asia )代表 千野剛司

2021年はビットコイン以外の暗号資産の様々な可能性が花開いた年でした。2022年もこの流れは続くとみており、とりわけ「イーサリアムVSその他のレイヤー1」に注目しています。NFTやDeFiの受け皿としてイーサリアムは躍進しましたが、多くのユーザーやプロジェクトが殺到した結果、ガス代が高騰しました。その結果、ソラナやアヴァランチなど、より安いレイヤー1ブロックチェーンに乗り換える動きが出ています。

一方、イーサリアムは「イーサリアム2.0」というスケーラビリティ問題を解決するアップグレードで進捗があると期待されています。イーサリアムが巻き返すのか?その他レイヤー1がイーサリアムからシェアを奪うのか?注目しています。

また、ステーブルコイン規制からは目が離せません。日米ではステーブルコインの発行体に対して「銀行並み」の規制をするか議論になっています。テザーやUSDCという業界を代表するステーブルコインは現在日本では現行法上実質的に取扱いが不可となっていますが、もし日本だけが今後厳しい規制を課すことになれば、日本市場のガラパゴス化や地盤沈下が避けられない状況になるでしょう。

主要国のステーブルコイン規制の議論を注視し、CBDCや企業のデジタル通貨との役割の違い等を整理した上で、2兆ドル超の市場規模に成長した暗号資産市場の果実を取りこぼさないよう、ステーブルコイン規制に関しては慎重な検討が必要だと感じます。

→クラーケンジャパン(Payward Asia 株式会社)

Symbol & NEMコミュニティ有識者 トレスト

去年はNEM界隈で何年も待ち望まれてきたCatapultがSymbolという新しいブロックチェーンとして誕生した年でした。NEMはロイヤリティ等の新たな概念でSymbolを補完する「サブチェーン」の1つとなります。

サブチェーン構想では、単一パブリックチェーンでは困難だった様々な問題を解決するため、例えば、分散型ストレージプロバイダへのブリッジとなるコンテンツ保存専用のサブチェーン等も構築し、Symbolに統合させる計画が実現に向けて動き出します。

日本コミュニティは独自ウォレットを開発したり、NFTをフルオンチェーンにする方法を実践したり、お店や街づくりにSymbolを実装するお手伝いをしたり、人の輪を広げ活発に活動し、全ての人々がブロックチェーンの力を得られるような環境作りに励み続けてます。 2022年もきっと関わる人々を飽きさせない人間味あるチェーンとしてまた一歩成長するでしょう。

→トレスト

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 パートナー 長瀨威志

2021年はNFTに大きな関心が集まり、クリエイターやIPホルダーによるブロックチェーン事業への参入が相次ぎましたが、2022年も引き続きNFT領域への大手企業の参入は継続すると思います。特に、NFTを活用したメタバース関係の事業への関心は昨年以上に高まることが予想されます。

また、昨年に続いて国内でのICO/IEO案件も実施が見込まれ、国内の暗号資産交換業界は着実に発展していくと思います。 一方で、2022年中に法定通貨担保型ステーブルコインに関する改正法案が国会に提出される見込みであり、暗号資産・ブロックチェーンビジネス全般に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、FATFトラベルルール対応に係る関連法令や自主規制規則の改正の動向にも注視する必要があり、昨年以上に法規制が重要になる一年になると思います。

→アンダーソン・毛利・友常法律事務所

Aerial Partners 代表取締役 沼澤健人

2021年は、グローバルでのブロックチェーン関連企業への投資額が1兆7000億円を上回り、NFT領域を中心に、世間一般においても「Web3」というワードが 注目を集めた年になりました。 ブロックチェーン領域は、暗号資産への投機・投資需要増から始まったムーブメントが、2020年以降のDefi(分散型金融)の活況、そして2021年のNFT / Game-Fiのモメンタム形成を通じていよいよ実需のフェーズに突入しています。

通常、技術領域のイノベーションは、プロトコルレイヤー(TCP/IP、Ethereum)の整備とアプリケーションレイヤー(Webサービス、NFT)の台頭が繰り返し行われますが、ブロックチェーン領域では、プロトコルレイヤーに巨額の資金が集まる性質からそのイノベーションサイクルがとても早いため、2022年は、flowやSOLANA等Ethereum以外のネイティブブロックチェーンの広がりが更に加速するでしょう。

また、DAO(自律分散組織)を通じたインセンティブ体系のアップデートにより、アプリケーションレイヤーの分散も一層広がりを見せる一年になると思います。 一方、Web3の社会実装が進む中で、その揺り戻しとして既存の経済圏の中で構築されたルール(金融規制、会計・税制等)との間に生じる摩擦がさらに大きくなる1年になるでしょう。

Web3はユートピア的に語られることも少なくありませんが、反面それを提供する側もユーザー側も、同じ「宇宙船地球号」の乗組員であることに変わりなく、ルールとイノベーションの交差点を整備するプレイヤーの重要性が更に高まっていくと考えています。

Aerial Partnersでは、引き続き個人・法人のデジタルアセットにまつわるデータ管理ソリューションの提供を通じて、Web3と規制の間に生じる摩擦を取り除き、価値革命のインフラとなるようなサービスを提供していきます。

→株式会社Aerial Partners

パジ/paji.eth(Tokyo Otaku Mode 共同創業者兼COO 安宅基)

あけましておめでとうございます、本年もどうぞよろしくお願いいたします。いつものように長文書き殴りしたいところですが、スペースの都合上、箇条書きで簡潔に展望を7つ書かせていただきます。

(1)低単価なNFTが広まり、キャズムを超えを狙える位置まで拡大
(2)DAOの活用/検証が進み株式会社の存在意義が相対的に薄まる
(3)L2やブリッジ活用で、DeFi領域が連携、さらに巨大化していく
(4)法定通貨<株<暗号資産<インフルエンス力=評価経済が加速
(5)ブロックチェーン活用「メタバース」が未曾有の経済圏を構築
(6)世界中のWeb2時代の強者がWeb3の世界に進出し席巻していく
(7)誰も予想しなかった思いもよらぬ事態が発生、冬の時代が到来

今年もワクワクが続いて毎日8時間しか寝られなそうです。

→paji.eth
→株式会社Tokyo Otaku Mode

クリプトBizdev ビール依子

Polygon、Solanaと仕事をしているのでこのあたりのプロジェクトについてのお話すると、Polygonは昨年からゼロ知識(ZK)に注力しています。

今年もこの領域は研究開発が続けられ、技術的な進展に注目しています。Solanaは昨年類を見ないスピードで急成長しました。2021年のはじめにはRaydiumすら無かったところからすでに1000以上のプロジェクトが誕生しており、今年もエコシステムの拡大に期待しています。

2015年からこの業界にフルタイムでコミットしてきた中で、暗号資産やブロックチェーンはかなり社会に受け入れられてきたと感じますが、これをさらに10億人のユーザー、1万人の開発者に広めるためにやることはまだたくさんあります。2022年、この領域に挑まれる日本の起業家や企業の方(特にPolygon、Solanaをお使いの方!)はできる限りサポートします、一緒に未来を作っていきましょう。

→ビール依子

ZkRollupの開発者・リサーチャー日置玲於奈

2021年で最も大きい出来事は明らかにエルサルバドルによるBitcoinの法定通貨化だったと思う。国家がBitcoinを採用するという事件は、起こる前は誰もが「いつかはそんなことが起こればいいけど、そんなこと起きないだろう」と考えていた類のもので、歴史に残る巨大な進歩だと思う。

懐疑的な声は多いが、隣国のもっと大きな国であるホンジュラスの話は誰もせず、多くの技術者がエルサルバドルのことをよく考え、無関心な技術者でさえライブラリを開発することでエルサルバドルの金融システムを無償でアップグレードしている時点で、現時点ですでにアドバンテージがあるようにも思われる。

このような動き、またはさらに大胆な動きが今後出て行くかが非常に興味がある。そして、今回のこのケースはLightning Networkの成功が大きな役割を果たしているため、L2がゲームチェンジャーであることは多くの人が認識すると予想する。

→日置玲於奈

Datachain 代表取締役 久田哲史

2021年までに、ブロックチェーンにおける主要なユースケースとして、下記が見えてきていると感じています。

(1)金融関連(デジタル通貨、NFT、DeFi、STO等)
(2)サプライチェーン
(3)トレーサビリティ

国や領域ごとに違いはあれど、実証から実用化のフェーズへと進むプロセスに乗っており、「来るか来ないか」ではなく「いつ、どこから来るのか、そしてどう対応すべきか」が論点になってきていると考えています。

このように、様々なブロックチェーンを基盤としたサービスが社会インフラになっていく中で、それらをつなぐ相互運用性(インターオペラビリティー)は必須要件です。 Datachainとしても、インターオペラビリティPJ「YUI」に注力し、相互運用性の課題解決を通じた価値提供ができるよう、引き続き尽力していきたいと思います。

→株式会社Datachain

HashHub共同創業者兼CEO平野淳也

2021年はレイヤー2やDeFiが堅調に成長、そしてNFTをきっかけにクリプトがメインストリーム層に注目されはじめた年でした。 2022年はさらにメインストリーム層へのさらなるアダプションが期待できるでしょう。それは普通のWebサービスや普通のフィンテックサービスの一部に暗号資産の支払いやNFT、DeFiが組み込みされる世界観です。

現在、インターネットを使用する会社は「私達はインターネットカンパニーだ。」とわざわざ言いません。同じくスマートフォン向けのアプリをつくる会社は「私達はモバイルカンパニーだ。」と言いません。しかし以前はそのように言っていました。全ての成功している会社がインターネットやモバイルの恩恵を受けています。

同じように、徐々に「クリプトカンパニー」という概念は溶けて、成功する会社やプロジェクトはクリプトを自然なものとして受け入れ、それぞれのユーザーに価値を届けるためのシステムの一部にするはずです。

→株式会社HashHub

ビットバンク 代表取締役社長 廣末紀之

相場に関しては、上期はインフレ懸念の台頭により上昇トレンドがエクステンションされ堅調、下期は半減期アノマリー、米政策金利引上げ開始に伴うリスクマネーの減退から軟調を想定。 産業全体では、アセットクラスのデジタル化の進展、NFT、GameFiの更なる拡大、web3/メターバース議論の進展に伴い、暗号資産及びその関連技術の着目度の高まり、ユースケースの広がりが進み、暗号資産交換業者以外にも様々なプレイヤーが登場してくるであろう。 リスクとしては引き続き規制が挙げられ、昨今のステーブルコイン規制議論からも見て取れるように、規制とイノベーションの対立軸は深まっているように見えており、暗号資産の「止められない」拡大に対し、規制側がどこで折り合いをつけるのかに注目。

→ビットバンク株式会社

【 → 次ページつづく】

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

日本初ビットコイン国際カンファレンス「Bitcoin Tokyo 2024」開催(9/21・22)

日本初のビットコイン特化の国際カンファレンス「Bitcoin Tokyo 2024」が9月21日と21日の2日間、東京・渋谷で開催される。米国ベンチャーキャピタルFulgur Venturesの日本法人フルグル合同会社とライトニングネットワーク関連事業を手掛ける株式会社Diamond Handsが共催する。

日本のweb3の未来のために今から何をすべき?(神田潤一 / 近藤秀和 / 柏木崇志 / 稲葉大明 / 設楽悠介)

国内の大手企業らがバリデータに参加し共同運営する、国産ブロックチェーン「Japan Open Chain」。このチェーンのコンソーシアム管理会社である日本ブロックチェーン基盤が主催したクローズドイベントが先日開催された。イベントには「Japan Open Chain」バリデータ企業に加え、多くの国内企業のweb3担当者や有識者が集った。