TISが貿易金融プラットフォーム提供のコントゥールと提携
TISインテックグループのTIS株式会社が、ブロックチェーン技術を用いてトレードファイナンス(貿易金融)プラットフォームを展開するシンガポールのコントゥール(Contour Pte. Ltd.)と資本業務提携をしたことを12月13日発表した。
発表によるとこの提携によりTISは、コントゥールのサービスおよびマーケットの拡充支援を行う他、コントゥールの持つ貿易金融の業務知識・ノウハウの取得をし、日本国内の銀行・企業に向け貿易金融プラットフォームの導入支援サービスを展開することも検討するとのことだ。
またコントゥールは、TISグループであるタイのMFECや関連会社のベトナムのTinhVanともパートナーシップを締結しているとのことで、タイやベトナムをはじめとするASEANの銀行・企業にもプラットフォームの展開と開発を行っていくとのことだ。
コントゥールが提供する貿易金融プラットフォームは、米R3社開発のエンタープライズ向けブロックチェーン「コルダ(Corda)」を採用し、複雑な書類のやり取りをデジタル化し、シームレスでセキュアな取引を実現している。三井住友銀行など世界の大手15銀行がコントゥールのプラットフォームを利用して50ヵ国以上で取引を行っており、貿易金融の主要な形態であるLC(信用状)発行までの時間を90%短縮するなど業務の効率化に貢献しているという。
TISはこれまでも国内において、ブロックチェーン技術を活用した取り組みや動きを見せている。
10月にはブロックチェーン技術を活用した「環境価値移転管理システム」開発の発表、11月には「自己主権型アイデンティティ(SSI)」の事業展開に向け、和歌山県白浜町でEOSに基づくブロックチェーンプラットフォーム「EOSIO」を利用して実証実験を実施、また同じく11月には、ステラのブロックチェーンを活用した電力トレーサビリティシステム「ENECTION2020」を提供するUPDATER(アップデーター/旧社名:みんな電力)と資本業務提携を発表している。
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参考:TIS
デザイン:一本寿和
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