FTX、暗号資産トレーディング・プラットフォーム規制に関する10原則を発表
暗号資産取引所を運営するFTXが、暗号資産取引市場の規制に関する独自の見解を示す文書を12月4日に公開した。文書のタイトルは「暗号資産取引プラットフォームの市場規制に関するFTXの主要原則(FTX’s Key Principles for Market Regulation of Crypto-Trading Platforms)」となっている。
FTXの示す主要原則は10の原則から構成されており、それらが制定されれば、政策立案者がデジタル資産のエコシステムを効果的に規制しながら、潜在的な成長と革新を最大限に引き出すことができる規制環境が実現されるという。10の原則は主に暗号資産関連のサービスをフルスタックで提供しているFTXに関連したものとなっている。
ちなみに10の原則は「スポットおよびデリバティブ上場のための1つのルールと1つのプライマリーマーケットレギュレーターへの提案、フルスタック・インフラストラクチャー・プロバイダーと市場構造の中立性の維持、暗号資産のカストディ(主な機能要件と開示要件)、フルスタックの市場インフラプロバイダーの取引ライフサイクル(トークン発行とアセットサービシング、市場の秩序と取引の決済、クロスマーゲイニング、ポジションのリスク管理に関するリスクへの対応など)、トレーディング・プラットフォーム・プロバイダー(規制および市場報告の確保)、顧客保護の徹底、財務報告責任、プラットフォームで使用されるステーブルコインが適切な基準を満たしていることの確認、フルスタック・インフラストラクチャー・プロバイダーの適切なサイバーセキュリティや保守・運用を確実に守ること、フルスタック・インフラストラクチャー・プロバイダーのマネーロンダリング防止と顧客情報管理のコンプライアンス確保」から構成されている。
これらの原則は、2021年12月8日に開催される米国下院金融サービス委員会の公聴会「デジタル資産と金融の未来(Digital Assets and the Future of Finance)」において、FTXのCEOであるサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏が直接証言する際の書面による解説の一部にもなるという。
FTXのCEO兼共同設立者であるサム・バンクマン・フリード氏は発表にて次のようにコメントしている。
「私たちは、この原則を米国および規制の指針がより明確になる可能性がある国の両方で、対話のための枠組みとして捉えています。私たちは、規制当局とのオープンな対話を行い、この業界のすべての人にとって公平な競争の場となるようなルールを確立し、この分野でのイノベーションが引き続き盛んになるよう支援していきたいと考えています。この原則は、投資家と一般市民の保護を最優先にして策定されました。私たちは、米国の規制当局、ひいては世界中の規制当局と協力して、賢明な規制の枠組みを導入できることを願っています」
参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
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