南米最大のEC企業メルカドリブレ、ブラジルで暗号資産取引サービス提供開始へ

メルカドリブレ、ブラジルで暗号資産取引サービス提供開始へ

南米最大のECサイトを運営するアルゼンチンのメルカドリブレ(Mercado Libre)、そのフィンテック部門メルカド・パゴ(Mercad pago)が、数百万人のブラジル人を対象に暗号資産を購入・保有・売却できるサービスを今月中に開始することを12月2日に発表した。

メルカドリブレの決算資料によれば、同社の2021年3Qの流通取引総額は約8,300億円で、アクティブユーザーは約7800万人となっている。

今回発表された暗号資産関連サービスは、ブロックチェーンインフラシステム提供の米パクソス(Paxos)との提携による取り組みとのことだ。ユーザーは、メルカド・パゴのアプリケーションから離れることなく、3つの暗号資産の購入と売却が可能になるとのことだ。購入可能な通貨は、ビットコインとイーサリアム、そしてパクソスが提供するステーブルコインのUSDPだ。

またメルカド・パゴは暗号資産サービス提供に際して、暗号資産のエコシステムや暗号資産投資の機会とリスクに関する教育コンテンツも提供も開始している。

メルカド・パゴのCEOであるオズワルド・ギメネス(Osvaldo Giménez)氏は発表にて次のようにコメントしている。

「メルカド・パゴにとって、金融を民主化し、暗号資産を大衆の方々に届けるのは重要な節目となることです。メルカド・パゴのアカウントから、グローバルな金融においてますます重要性を増している暗号資産のパラダイムを受け入れるユーザーに同行していきたいと考えています。当社のプラットフォームの迅速で安全な操作性に支えられ、暗号資産へのシンプルなアクセスを提供します」

パクソスの戦略責任者であるウォルター・デザート(Walter Hessert)氏は次のようにコメントしている。

「これはラテンアメリカにとって変革の瞬間です。メルカド・パゴは、100万人以上のブラジル人に対して、暗号資産やステーブルコインへのシームレスなアクセスを提供できるようになります。これによりラテンアメリカでは、暗号資産やステーブルコインのマスアダプションが加速するでしょう。 メルカド・パゴと提携してこれを実現できることを嬉しく思います」

メルカドリブレの決算資料を見ると、EC事業よりフィンテック事業の成長率が高く、暗号資産領域へのサービス展開の狙いはユーザーのニーズにさらに応えるためとも考えられる。

参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/NatanaelGinting・Molnia・Ninja-Studio

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
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