JCBとKeychain、NFC活用のオフライン決済ソリューションの実証成功
株式会社ジェーシービー(JCB)と合同会社Keychain(キーチェーン)が、NFC(近距離無線通信)を活用したオフライン決済ソリューションのシステム実装と稼働検証を行う実証実験に成功したことを11月29日発表した。店舗決済端末にかざして利用する非接触型決済と同様のユーザビリティを実現できたとのこと。
発表によるとこのシステムにはKeychainが提供する、ブロックチェーン上でデータセキュリティとアイデンティティ基盤を実装できるアプリケーション開発フレームワーク「Keychain Core」が使用されているとのことだ。
このシステムでは、外部の決済処理センターとの通信を必要とせず、デバイス間の相互認証処理やデバイスに近接した上位レイヤーのデバイス(ルーターやサーバーなど)での承認処理により決済を実現するという。オフラインで決済が出来ることから高速処理が可能であるという。
なお実証実験ではIoT端末、スマートフォン、スマートウォッチに、32メガバイト未満のメモリ使用しか行わない新たな決済プロセスアプリを組込み、NFC規格を利用してIoT端末同士の通信を行ったとのことだ。
JCBとKeychainは今年1月、次世代の決済システムソリューションとして、Machine to Machine(M2M)領域におけるマイクロペイメント向け決済インフラに関するソリューションを開発し、実証実験を開始していた。
今後モノとモノがヒトを介さず自動的に契約執行や決済をおこなうM2Mの世界が到来することが予見されている中で、JCBとKeychainは円滑な決済機能の提供により、M2M領域でビジネス化を検討する様々な事業者が自身のサービスに対して課金しマネタイズできるソリューションの実現を目指している。
なお、あたらしい経済編集部は「Keychain Core」で利用できるブロックチェーン基盤についてKeychainに確認を取っているが、記事執筆時で回答が得られなかった。返答があり次第、この記事に追記させて頂く。
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参考:Keychain
デザイン:一本寿和
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