独自トークンIEOに向けフィナンシェとコインチェックが契約
NFT事業やファントークン発行プラットフォーム「FiNANCiE」を展開するフィナンシェと、国内暗号資産取引所を運営のコインチェックが、IEO(Initial Exchange Offering)による資金調達に向けた契約を締結したことが11月29日分かった。
IEO(Initial Exchange Offering)とはトークンによる資金調達を暗号資産取引所が支援し、具体的には主体となって発行体のトークンを販売するモデルのこと。コインチェックは今年7月にHashpaletteの発行するパレットトークン(PLT)のIEOを実施しており、今回の契約でのIEOが実施されれば国内で2例目となる。
両社はこの契約のもと2022年夏までに独自トークン「フィナンシェトークン」 のIEOの実現を目指すとしている。「フィナンシェトークン」は、イーサリアムブロックチェーン上で発行されるトークンとのこと。発表には詳細が記載されていないが、おそらくERC-20トークンだと推測できる。
フィナンシェは今回の発表で、独自トークンを発行し、すでに「FiNANCiE」で発行されているコミュニティトークンをより効果的に繋げ、長期的なトークン価値を向上させるためのプラットフォームトークンとして活用するとしている。さらに「FiNANCiE」ユーザーに、エコシステム全体におけるガバナンス参加をし「ユーザー主体の運営」の実現を目指すとのことだ。
なおIEOで資金調達した資金の一部は、「FiNANCiE」及びNFT事業の更なる拡大に充当する予定とのことだ。
「FiNANCiE」は、ブロックチェーン技術を活用し、スポーツチームや個人などがファントークンを発行できるプラットフォームだ。現在は、湘南ベルマーレやアビスパ福岡のプロサッカークラブやTリーグ優勝の卓球プロチーム琉球アスティーダなどのスポーツクラブのトークンなど、100以上の個人、クラブ、プロジェクトのトークン発行・販売、企画・運用を行っている。
海外ではチリーズ「Socios.com」が同様にプロスポーツチームがファントークンの発行と販売ができるプラットフォームとして存在感がある。チリーズは欧州のプロサッカーリーグの多くのチームを中心に提携を行いファントークンを発行している。そして「Socios.com」にはすでにチリーズ:Chiliz(CHZ)というガバナンストークンがあり、暗号資産取引所で流通している。
これまで国内では規制の関係でなかなか今回のようなサービス主体によるプラットフォームトークン、ガナバンストークンの発行の難易度が高い状況があった。その中でIEOは、国内規制に準拠したトークン発行、資金調達の手段だ。 今回IEOが実現すれば、「FiNANCiE」でも「Socios.com」のようなエコシステムの実現が期待でき、注目だ。
デザイン:一本寿和
images:iStocks/BadBrother