米スクエア、法定通貨と暗号資産の直接交換可能な分散型取引所「tdDEX」のホワイトペーパー公開

米スクエア、「tdDEX」のホワイトペーパー公開

米スクエア(Square)が、ビットコインのための分散型取引所「tbDEX」のホワイトペーパーを11月21日に公開した。

このホワイトペーパーでは「tbDEX」の原理・原則、ビジョン、構成者、プロトコルの仕組みなどが18ページにわたり説明されている。

ホワイトペーパーによれば、「tbDEX」の目的は「中央集権的な取引所を経由することなく、法定通貨ベースのシステムから暗号資産を利用するためのシステムの入り口(オンランプ)と出口(オフランプ)を作るためのフレームワークを提供すること」と説明されている。

また「tbDEX」では分散型IDを活用して、個人IDの安全な交換を可能にし、参加者が法律や規制を遵守するためのメカニズムも提供するとのことだ。

そして特に注目すべきは、このプロトコル上でどのように信頼を形成するかという説明だ。

まずホワイトペーパーでは「tbDEX」の信頼形成のモデルについて「アトミックスワップのようなトラストレスモデルを利用しないという意味で、他の分散型交換プロトコルとは異なる方法で信頼を形成しています」と説明している。

そして信頼形成のプロセスについて「現実的には、法定通貨システムとのインターフェースがトラストレスになることはありません。法定通貨のレール上のエンドポイントは常に規制の対象であり、カウンターパーティの側で悪行が行われる可能性が存在します。つまり価値の交換は、基本的に他の信頼を司る手段、特にレピュテーションに基づいて行われなければならないのです」と説明している。

ちなみにこのホワイトペーパーの最初のドラフトは、提案されているtbDEXプロトコルのハイレベルデザインの概念的な理解を確立することを目的としているため、完全なものではなく、最終版ではないとのことだ。

また「tbDEX」の構成者には現在の規制に準拠した既存金融機関が想定されており、スクエアがいかに既存金融機関を分散型金融の世界に巻き込めるかは1つの焦点となるだろう。

参考:ホワイトペーパー
デザイン:一本寿和
images:iStocks/LongQuattro・artsstock・Maximusnd

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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