【取材】目黒区商店街連合会、ブロックチェーン活用デジタル共通商品券提供

洗足駅商店街で利用できるデジタル共通商品券が発行

東京都の目黒区商店街連合会が、東急目黒線の洗足駅商店街にて利用できるデジタル共通商品券を提供したことが分かった。

ブロックチェーン技術を活用した料理のギフト券・地域商品券発行プラットフォーム「Gotch(ゴッチ)」を運営するエバーコネクトと、目黒区商店街連合会が、地元商店街の店舗で利用できるデジタル共通商品券の提供を開始。その第一弾として、11月6日に洗足で行われた「第11回 のんびりイベント散歩」の完歩賞に600円分のデジタル共通商品券が提供された。

発表によると今回のデジタル共通商品券は、「第11回 のんびりイベント散歩」に事前登録しクイズラリーに答えた参加者だけがデジタル商品券を取得できる仕組みで、これにより二重取得などの不正を防ぐことができるとしている。システムにはエバーコネクトの「Gotch」が利用されている。

イベント参加者はスマートフォンアプリで有効化したデジタル商品券を、参加店舗での商品購入時に店舗のQRコードを読み取り利用できる。

またイベント主催者はリアルタイムでシステム利用状況を把握できる他、日次レポートが自動で届くため、従来の紙で提供していた商品券と比べ、印刷や配布、集計作業等の運用面で業務負荷を軽減できるという。さらに運用を自動化することでオペレーションミスの軽減にも繋がるとのことだ。

なお第二弾として、学芸大学商店連合会の各商店街で利用できる歳末福引セール用の抽選機能付きデジタル福引商品券が提供される予定とのことだ。

エバーコネクトは今後、ギフト券・地域商品券発行プラットフォームのシステム環境をオープン化し、事業会社等へSaaSとして提供し地域のDXを推進していく予定としている。

エバーコネクト株式会社広報担当者へ取材

あたらしい経済編集部がエバーコネクト株式会社の広報担当者へ次の質問を行った。

–今回提供のシステムおよび「Gotch」では、ブロックチェーンは何を採用されていますでしょうか?

採用しているブロックチェーン技術はオープンソースのものに弊社独自技術を加えたものとなります。今後の競合戦略の兼ね合いから、現時点では採用しているブロックチェーン技術の固有名称は公開しておりません。ご了承ください。

–年内に第二弾として学芸大学商店街でのお取り組みが予定されているとのことですが、こちらはいつから開催の予定でしょうか?

学芸大学商店連合会で行う取り組みは、12月上旬を予定しております。日程は今後確定する予定です。

–また第三弾以降は来年に予定されていますでしょうか?

企画段階ではありますが、年明け、または春に第三弾を予定しております。

–洗足と学芸大学の商店街が対象になった理由などありますでしょうか?

目黒区商店街連合会様とのお話の中で、コロナ禍で従来のイベントが行えなくなり、地元地域の活気、活性化を取り戻すために、新しい形でイベントを行いたいという考えのもと、第一弾は商品券のデジタル化自体が初の試みのため、地域と商店街の距離感が近く、目黒区の中でもアットホームで小回りの効くエリアということで洗足エリアが選ばれました。

また第二弾は、DXを促進していく上でより大きな規模で、且つ若者も多くいる学芸大学エリアで行うことが決まりました。

–今回は目黒区商店街連合会との提携をされましたが、他の東京都区など提携は視野にありますでしょうか?

今後は他の区や市町村との提携も視野に入れております。

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参考:目黒区商店街連合会
デザイン:一本寿和
images:iStocks/yewkeo・sumkinna

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
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