マネックス、ブロックチェーン活用のESG投資情報レポーティングアプリ提供へ
マネックスグループが、ブロックチェーン技術(分散型台帳技術)を活用したESG(環境・社会・企業統治)レポーティングアプリケーションの概念実証(PoC)の構築と実験に成功したことを10月28日発表した。
同アプリにより、資産運用会社やプライベートバンクといったステークホルダーに対し、透明性が高く不正加工のできない報告ツールを提供することで、それぞれの投資のESGインパクトのモニタリングと評価を実現するのが目的とのことだ。
このアプリでは、再生可能エネルギーに関するプロジェクトの投資インパクトデータのレポート発行と共有が可能になるという。
具体的には、生産されたエネルギーに対する再生可能エネルギーの割合、生産されたエネルギーでまかなえる世帯数、生産施設の性能比率、避けられた炭素排出量に加えて、カーボンオフセットから得られた追加実績などの財務比率といった指標について、投資家への定期的な報告を処理できるとのことだ。
ノルウェーのグリーンパワーモニター(GreenPowerMonitor)社のデータ遠隔監視システムを利用したスマートセンサーによって入力されたIoTデータが、各データに用いられる。このIoTデータに対し、プライベート型のブロックチェーンによるモニタリングと監視が可能となっているとのことだ。
また同アプリにより算出されるカーボンオフセットやその他ESG比率といった報告データは、様々な国や世界の気候NPOからの公式データ表との比較を可能とし、レポートをアセットレベルまたはポートフォリオベースで利用できると説明されている。
なお概念実証は、グローバルな再生可能エネルギーに焦点を当てる環境インパクトファンド「マネックス・クライメイト・インパクトファンド」の運営母体であるMonex Climate Impact GP及びシンガポールに拠点を置くフィンテック企業ユーレグ(U-Reg)が共同で行ったとのこと。
あたらしい経済編集部がマネックスグループ株式会社 コーポレートコミュニケーション室へ取材を行ったところ、ブロックチェーンについてはエンタープライズ向けブロックチェーンである「ハイパーレジャーファブリック(Hyperledger Fabric)」が採用されているとのことだ。
またこのアプリは、「マネックス・クライメイト・インパクトファンド」のステークホルダーに提供されるものであり、いわゆるファンドの付帯サービスの位置づけになるようだ。マネックスグループ担当者によると、ESGに対応しているように見せかける「レポーティング・ウォッシュ」がある中で、このアプリを活用することで、透明性のある商品が提供できるとのことだった。
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参考:マネックス
デザイン:一本寿和
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