新経連、政府へ「ブロックチェーンの官民推進に関する提言」提出
新経済連盟が「ブロックチェーンの官民推進に関する提言~2021年度の政府方針等を踏まえたデジタルフレンドリーな社会に向けて~」をデジタル大臣、金融担当大臣、経済産業大臣宛に提出したことが10月27日分かった。この提言には、暗号資産に関する税制改正についても盛り込まれている。
なお新経連がブロックチェーンに関する提言を政府に行うのは、昨年3月の日本ブロックチェーン協会(JBA)の協力を得て作成した「ブロックチェーン国家戦略に向けた提言(事例分析編)」以来となる。
今回の提言は今年度の政府戦略を踏まえた形で、政府に対しブロックチェーンに関する6つの提言を行っているとのこと。また海外政府のブロックチェーン戦略や法整備の最新事例もまとめられているとのことだ。
なお今年6月に閣議決定された政府成長戦略の「第2章 新たな成長の原動力となるデジタル化への集中投資・実装とその環境整備」には「ブロックチェーン等の新しいデジタル技術の活用」が明記されている。今回の提言はこちらの戦略を踏まえたものと考えられる。
今回の6つの提言について
6つの提言の概要は以下
(1)ブロックチェーンを国家戦略に
・各国政府において、ブロックチェーン(BC)を導入する明確な目的意識のもと、産業政策としてのスタートアップ企業の育成や金融取引の促進、社会基盤のDXを前提としたスマート政府化の動きが加速。
・日本政府も、BCに対するビジョンやスタンスを国家戦略として打ち出し、政策的な仕組みを整備すべき。
(2)ブロックチェーン官民協議会の設置
・2021年度の政府方針や自民党議連からの提言の実現に向けて、デジタル庁、金融庁、法務省などの関係省庁がそろう形で、官のイニシアチブのもと、官民協議の場を設置すべき。
(3)世界一デジタルフレンドリーな法整備
・「紙面・対面・中央集権」を前提としたレガシーな法制度によって、BCの技術中立性が担保されない事態が生じている。BCを活用するうえで障壁となりうる諸論点に対して、デジタル対応を徹底すべき。
(4)NFTに関する事業環境の整備
・NFTが表章する価値や権利について法制度上の扱いを整理し、ユースケースや生じうるリスクを類型化の上、関連規制への該当性をガイドラインなどで明示すべき。
・NFT一元的な相談窓口を設置し、「まずやってみる」という事業者の挑戦を許容する政策スタンスのもと、事業環境を整備すべき。
(5)STO・ICOに関する会計基準の整備
・国際的には、BC企業への投資・資金調達が過去最高の潮流。日本の上場企業によるトークン発行や、BCスタートアップの資金調達に支障が生じないよう、会計基準を整備すべき。
(6)税制改正
・対個人:総合課税から申告分離課税への変更、損益通算や損失の繰越控除を可能に
・対法人:法人が期末において所有する仮想通貨に関わる未実現利益(損失)について、課税対象とされている点、見直しを行うこと
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参考:新経連
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