重要文化財1921点をNFT化
奈良県田原本町の博物館「唐古・鍵 考古学ミュージアム」が、同博物館展示の重要文化財1921点をNFT化することが10月25日分かった。
NFT化する重要文化財は弥生時代の生活文化を知ることが出来る「唐古・鍵遺跡」から出土した実物資料だ。
重要文化財をNFT化し販売を行うことで、博物館における新たな収益モデルとして活用することや、プロモーション効果による博物館への集客などが狙いだという。
NFTの販売には、株式会社H.S.Pが開発する美術館・博物館に特化したNFTマーケットプレイス「Apollo(アポロ)」が利用される。同マーケットプレイスのブロックチェーン基盤にはバイナンススマートチェーン(Binance Smart Chain)が採用されている。
なお「Apollo」は日本初のNFT美術館として発表した「NFT鳴門美術館」との提携も行っている。同美術館が今月購入したNFT、「アニメーション映画『竜とそばかすの姫』×日本のファッションブランドANREALAGE(アンリアレイジ)のデジタルコレクション」も「Apollo」によって販売される予定とのことだ。
ちなみにこのNFTはイーサリアム基盤のブロックチェーンインフラ「Startrail(スタートレイル)」(スタートバーン提供)が採用されているが、バイナンススマートチェーンはイーサリアムと互換性がある為「Apollo」にて販売が可能とのことだ。
「Apollo」については現在開発中で11月中旬頃のリリースが予定されている。なおH.S.P社担当者に確認をとったところ、今回のNFTの「Apollo」での販売は12月を予定しているとのことだ。
また担当者によると、今回NFTを取り扱う博物館としては日本初の事例とのこと。またNFT化する重要文化財1921点は「唐古・鍵 考古学ミュージアム」の全展示物とのこと。NFT化はこの全展示物に全て紐づけた形式をとるという。なお小口化するなどNFTの販売方法については現在検討をしているとのことだ。
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デザイン:一本寿和
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