AP通信とチェインリンク、経済やスポーツデータをブロックチェーンに記録・提供へ
大手通信社AP通信が、チェインリンク(Chainlink)と協力し、経済やスポーツのデータをブロックチェーン上に記録し提供することを10月21日に発表した。
チェインリンクは外部データをブロックチェーンに接続するオラクルインフラストラクチャの構築を目指す分散型ネットワークである。AP通信がチェインリンクノードを構築して様々なデータを供給することで、ブロックチェーン・アプリケーションが実世界の情報を正確に反映できるようになるとのことだ。
ブロックチェーン・アプリケーションの開発者はこれらのデータを活用することで、チェーン上で行われるプロセスを自動化することができるようになる。たとえば選挙の速報や、企業の四半期財務の発表をトリガーとするスマートコントラクトの構築などが可能とのこと。
AP通信のブロックチェーン・データライセンス担当者ドウェイン・ディソールニャ(Dwayne Desaulniers)氏は同社のブログにて、AP通信がブロックチェーンを選択する意義について以下のように説明している。
「ブロックチェーンの根幹にある目的は、公的にアクセス可能かつ安全で堅牢な情報の記録を形成することです。AP通信は世界中で事実に基づいた信頼できる情報を提供する重要なソースであるため、私たちはこれをブロックチェーンのユーザーに信頼できるデータや情報を提供する機会と考えています」
チェインリンク・ラボのマネージングディレクターであるウィリアム・ハークラス(William Herkelrath)氏は以下のようにコメントしている。
「AP通信は、あらゆる形式のリアルタイムニュースにおいて、世界で最も信頼される独立系報道機関の1つとしての地位を確立しています。AP通信の大規模かつ継続的に増加する事実やデータのリポジトリとチェインリンクの実績あるオラクルインフラストラクチャを組み合わせることによって、新興のスマートコントラクト産業におけるイノベーションをサポートすることは理にかなっています」
AP通信はこれまでにも積極的にブロックチェーン分野に関する取り組みを行っている。2020年にはチェインリンクや分散型キュレーションサービスであるエブリペディア(Everipedia)と共同で、アメリカ大統領選挙結果をブロックチェーン上に記録する取り組みを実施した。また今年5月には、米軍兵士が硫黄島に星条旗を掲げる写真をはじめとした、歴史的な瞬間をNFTアートとして発行している。
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