SBIがNFT事業参入、スマートアプリを子会社化し「SBINFT」に。
SBIホールディングス株式会社がNFTマーケットプレイス「nanakusa」運営の株式会社スマートアプリを連結子会社化したことが9月30日に分かった。SBIの持ち株比率は80%とのこと。
そしてスマートアプリの社名はSBINFT株式会社に、運営マーケットプレイスの名称は「SBI NFT Market」に変更されることも発表された。
なおスマートアプリの既存株主にはスマートアプリ経営陣、株式会社セレス、i-nest capital、East Ventures、double jump.tokyo、山田進太郎(株式会社メルカリ創業者)、藪考樹(株式会社モブキャストホールディングス代表取締役社長)、堀内康弘(元株式会社gumi CTO)、三木寛文(エンジェル投資家)、他個人投資家らが名を連ねていた。
現在ウェブサイトを確認すると、既存株主の欄は削除されており、すでにサイトではスマートアプリからSBINFTに名称が変更されている。
今回の発表に際して、SBIグループTAOTAO株式会社の仮想NISHI氏が9月30日付で、SBINFTの取締役に就任したことをツイートで明かした。仮想NISHI氏はこれまでのTaoTaoのクリプトアナリスト事業戦略担当も兼務するとのことだ。さらにSBIアートオークション代表取締役の森田俊平もSBINFTの取締役に就任するとのことも明らかになった。
またSBINFTが、国内でアート×ブロックチェーン事業を手がけ、アートのブロックチェーンインフラ「Startrail」を構築するスタートバーン株式会社と、業務提携に関する基本合意書を交わしたことも発表された。両社は今回の提携により、ブロックチェーンを活用したプラットフォーム事業の拡大に向けて協力を進めていくとのことだ。
なおスタートバーンは昨年10月にSBIアートオークションにブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」を提供していた。また同社は2019年5月にSBIインベストメントが運営する「SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合」から資金調達を行なっている。
SBIホールディングスはスマートアプリ(SBINFT)を連結子会社化した理由について、これまでSBIグループで暗号資産取引所事業や、アートオークション事業、eスポーツ事業を実施していることを挙げ、「こうした取引所、アート、eスポーツ等との親和性が高い点から、かねてよりNFT事業への参入検討を進めてまいりました」とコメントしている。
今後「SBI NFT Market」となる「nanakusa」は、今年国内でもいち早く立ち上げられた、イーサリアム及びポリゴンのブロックチェーンに対応したNFTマーケットプレイスである。
現在NFTマーケットプレイスを展開する国内企業が独自ブロックチェーンや、一部機能をオフチェーン(ブロックチェーンを使わない)サービスを展開しているのに対して、世界最大手のOpenSeaなどと同様に、パブリックブロックチェーンを活用した世界基準のサービスを展開していることが特徴だ。
このサービスに大手資本が入ることで国内でのサービス拡大にとどまらず、よりグローバルな展開も期待できるかもしれない。
激化する国内NFT市場について
現在国内ではLINE「NFTマーケットβ」、GMO「Adam byGMO(β版)」、コインチェック「Coinchack NFT(β版)」、モバイルファクトリー「ユニマ」らが、すでにNFTマーケットプレイスのサービス提供を開始している。
なおクラウドファンディング事業を手がけるCAMPFIREも、昨日モバイルファクトリーと提携する形でNFT事業参入を発表した。
また暗号資産取引所を運営企業としては、ビットバンクやビットポイントが、そしてIT大手企業ではメルカリや楽天がNFT市場へ今後参入することも明らかになっている。今年から世界的に拡大を見せているNFT市場、国内でもそのプラットフォーム争いが激化しそうだ。
NFTとは
「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」は代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。
そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。
なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。
参考:SBIホールディングス株式会社
デザイン:一本寿和
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