【取材】トレードワルツ「貿易コンソーシアム」が拡大へ、焦点は電子船荷証券の法改正

トレードワルツ「貿易コンソーシアム」が拡大へ

貿易DX推進のトレードワルツ社運営の「貿易コンソーシアム」の会員に新たに商社、メーカー、物流企業など14社が加わり全65社に拡大したことが9月13日に分かった。

トレードワルツは2020年4月に設立され、NTTデータ、三菱商事、豊田通商、東京海上日動火災保険、三菱UFJ銀行、兼松、損害保険ジャパンの大手7社の共同出資によって貿易のデジタル化、DXを目標に2020年11月に事業開始した。トレードワルツ社は更に8月に東京大学協創プラットフォーム開発、三井倉庫ホールディングスなどから計9億円の資金調達を実施している

この「貿易コンソーシアム」はブロックチェーン技術を活用して、貿易情報連携効率化を促進していくためのコンソーシアムだ。

発表によれば2021年6月23日以降、SGHグローバル・ジャパン株式会社、岡谷鋼機株式会社、コビュー・ジャパン株式会社、五洋ロジテム株式会社、三洋貿易株式会社、第一実業株式会社、ティービーケー・システムズ株式会社、豊通ケミプラス株式会社、ドリームカーゴシステム株式会社、日通商事株式会社、日本電気株式会社(NEC)、 株式会社堀場製作所、名港海運株式会社、他1社(広報承認前のため、企業名未公表)の合計14社が今回加わった。

「あたらしい経済」はトレードワルツ取締役CEO室長で貿易コンソーシアム責任者の染谷悟氏に取材を行った。染谷氏によれば、貿易コンソーシアムで現在議論の焦点となっているのは、電子船荷証券(eBL)法改正、プラットフォーム間連携とサービス検討の3つとのことだ。

染谷氏は電子船荷証券(eBL)法改正に関して「今でも船荷証券(BL)は企業間で電子上でやり取りされている場面もありますが(eBL:電子船荷証券)、法律上有効なBLではないという問題点があります。BLの重要な要素である物権的効力(商法763条)が不完全であり、第三者対抗要件を備えているか不確実な状態です。貿易コンソーシアムの規制改革ワーキンググループ(WG)では、eBLの法制化を要望する為に提言を行っています」と語った。

またプラットフォーム間連携については「トレードワルツは、プラットフォーム間連携を進め貿易業務DXの実現を目指しています。現在は2022年までに、5ヵ国の貿易プラットフォーム(PF)、シンガポール(NTP)、タイ(NDTP)、オーストラリアやニュージーランド(TradeWindow)との連携を実現させる為、会員企業と検討を進めています」と語った。

そしてサービス検討について「上記の他、AIにおける信用状(LC)チェックや、貨物位置情報の取得といった、ユーザに必要とされる機能実装の実現に向け、会員からの意見収集、検討や実証を行っております」と語ってくれた。

参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Who_I_am・Rawpixel

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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