イーサリアム関連技術開発のオフチェーンラボが約140億円調達、アービトラムワンはメインネットβ版ローンチへ

イーサリアム関連技術開発のオフチェーンラボが約140億円調達

イーサリアムスケーリングソリューション開発のオフチェーンラボ(Offchain Labs)がアービトラム(Arbitrum)のメインネット「アービトラム・ワン(Arbitrum One)」のβ版ローンチと、シリーズBで約140億円(1億2,000万ドル)の資金調達をしたことを8月31日に発表した。

このシリーズBラウンドは、Lightspeed Venture Partnersが主導し、Pantera、Polychain、Redpoint、Ribbitなどが参加した。調達した資金は、チームの拡大、エコシステムのさらなる開発、新しいスケーリングソリューションの構築、研究開発などに利用される予定だ。

アービトラムは2020年10月にテストネットをローンチしていた。アービトラムの特徴は、イーサリアム・バーチャルマシーン(EVM)互換で、レイヤー2スケーリングソリューションの1つ「Optimistic Rollup」を採用していることにある。

発表よれば、オフチェーンラボはグローバルで400以上のチームにメインネットへのアクセス指示を送り、何十ものチームがデプロイを完了させており、数日から数週間の間にさらに多くのプロジェクトがメインネットで稼動し始めるとのことだ。

今後、オフチェーンラボは必要に応じて「アービトラム・ワン」のβ版の迅速なアップグレードやシステムの一時停止などの機能を維持していくとのことだ。

オフチェーンラボの共同設立者兼CEOのスティーブン・ゴールドフェーダー(Steven Goldfeder)氏は今回の資金調達にあたって次のようにコメントしている。

「イーサリアムのスケーリングとイーサリアムのエコシステムを大衆に提供することの重要性を理解している投資家と、パートナーを組めることに興奮しています。世界中の開発者からの多大なサポートは、FinTechとDefiの世界を最初に統合させるという私たちの使命を証明するものです」

なお8月30日にアービトラムはイーサリアムのエクスプローラーを開発するイーサスキャンと共同で開発したアービトラム用のエクスプローラーを発表している。このエクスプローラーでは、ユーザーがイーサリアムL1とアービトラムL2の相互運用を可能にするカスタム機能の利用ができるようになる予定となっている。

参考:プレスリリース
images:iStocks/gonin・BadBrother
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した