個人投資家向けデジタル証券ファンド組成へ、三井物産子会社が金融商品取引業登録完了

三井物産子会社が金融商品取引業登録完了

三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社が、2021年8月13日付で金融商品取引業ライセンスを取得していたことを8月31日に発表した。

具体的に第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業の取得、投資運用業の登録が完了したとのこと。そして同社はデジタル証券ファンドの組成・運用・販売を一気通貫で手掛ける専業金融サービス会社として、営業開始準備を進めるとのことだ。

今後の予定としては、プロ投資家様向けオンライン投資サービスALTERNA(オルタナ)を今年秋に公開するとのこと。そして、個人投資家様向けデジタル証券ファンドの組成や、ファンド組成・運用・販売のDXも進めていくとのことだ。

デジタル証券ファンドに関しては、様々な優良実物資産をデジタル証券を通じて提供することで、営業開始後3年以内に1,000億円以上の運用残高を目指していくと発表されている。

三井物産デジタル・アセットマネジメントの過去動向

三井物産デジタル・アセットマネジメントは2020年3月に設立された企業で、三井物産、LayerX、SMBC日興証券、三井住友信託銀行、JA三井リースより出資を受けている。なお出資比率は、三井物産(53%)、LayerX(36%)、SMBC日興証券(5%)、三井住友信託銀行(5%)、JA三井リース(1%)となっている。

そして同社は2020年4月にデジタル証券および7億円規模のファンド運用の実証プロジェクト「Project D」を発表し、兵庫県の六甲アイランドDCの信託受益権の一部を取得して、運用された。

2021年デジタル証券の動向

2021年に入り、日本ではデジタル証券の動きが活発化している。3月にSBI証券が、そして5月にはSMBC日興証券がデジタル証券を取り扱い可能とした。また7月には、三菱UFJ信託銀行株式会社、ケネディクス株式会社、野村證券株式会社および株式会社SBI証券の4社が、受益証券発行信託スキームを用いた資産裏付型デジタル証券の公募について協業することを発表している。

なお前述の三菱UFJ信託らのデジタル証券にはブロックチェーン基盤「Progmat」の活用が発表されている。デジタル証券でのブロックチェーン活用は、真正性の担保およびコスト削減が主な目的だ。大手参入が相次ぐデジタル証券(セキュリティ・トークン)市場は、ブロックチェーンの1つのユースケースという意味合いでも注目しておきたい。

参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/dalebor

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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