チェイナリシスが国別DeFi普及指数発表、1位米国、2位ベトナム
暗号資産関係のデータ分析会社チェイナリシス(Chainalysis)が、DeFiの利用に関するデータをまとめたレポートを公開した。そのレポートで国別DeFi普及率を測る指数として「DeFi Adoption Index」が公表されている。
レポートによると、DeFi市場はこの数年で確実に拡大しているものの、その市場を支えているのは機関投資家やプロの個人投資家であり、新興市場や一般のユーザーによって支えられている暗号資産全体の市場と比較すると、その構造に明らかに違いがあるとのことだ。
なお「DeFi Adoption Index」は、購買力平価によって重みづけされたオンチェーンの暗号資産の額、DeFiプラットフォームが受信する小規模取引額の合計、インターネットユーザーに対するDeFiユーザーの比率などから算出されている。
この指数をもとにDeFiの採用率をランク付けすると、1位アメリカ、2位ベトナム、3位タイ、4位中国、5位イギリスと続く。トップ20の国を分析すると、全体的にアメリカや中国、西ヨーロッパ諸国のような暗号資産市場がすでに形成されている中高所得国のDeFi採用率が高くなっているとのことだ。なお日本はトップ20にライクインしていない。
また総取引額を取引のサイズ別に分類すると、2021年第二四半期においてはDeFiの総取引額に占める大規模取引(1,000万ドルを超える取引)の割合が60%を超えているとのこと。これは暗号資産市場全体のデータと比較すると20%ほど高い数値となっており、DeFi市場が一般のユーザーではなく、機関投資家によって支えられていることを示している。
またレポートによると、主要なDeFiプラットフォームの一つであるdYdXの成長戦略担当デイビット・ゴーゲル(David Gogel)氏はDeFiの利用者の構造について「現在のDeFiの利用者の大部分はプロの投資家や機関投資家であるが、長期的に見れば、イーサリアムのガス価格が下がることでより多くの人の利用が可能になる」と説明しているとのことだ。
なおレポートでは、分析したデータやゴーゲル氏の説明を踏まえ、暗号資産が新興市場から資産と見なされて取引されているのに対し、DeFiは高所得者層から利益を増やすための投資の対象と捉えられており、利用者の構造に大きな違いが生まれていると結論づけてられている。
参考:Chainalysis
デザイン:一本寿和
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